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Schnebelt Präzision 社と ANCA 社の30年:技術と信頼に基づいた最高の関係

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Pat Boland 氏と起業者 Rolf Schnebelt 氏と現在ANCA 社のグローバル重要顧客営業担当者 Jan Langfelder 氏

現在、オッフェンブルク近郊のシュッターヴァルトに本社を構える Schnebelt Präzision KG は、丸のこ刃の再研削を行う会社として 1985 年に設立され、それからわずか2年後、Rolf Schnebelt 氏は、その取り扱いを工作機械に広げ、販売代理店として製造会社に販売していました。そして、1996年、精密工具の製造に向け、自社製のマシンに初めてとなる最先端のコンピューター管理による切削マシンを導入しました。ANCA 社共同創設者である Pat Boland 氏は、最近訪れた Schnebelt 社で、最新 ANCA 社マシン FX5 を視察しました。コレットチェンジャーが装備された ANCA AR300 ローダーを使うことで、様々な直径サイズの工具が自動で、さらに高い精度で Schnebelt 社で製造・再研削できるようになりました。 
 
Rolf Schnebelt 氏と Pat Boland 氏の両社には、特別な歴史を共有しています。Schnebelt Präzision KG は、ANCA 社がドイツに支部を設立した直後である 1996年に ANCA 社の設備と共にシャンク工具の再研削分野に参入しました。では、機械工具製造の中心地であるバーデン=ヴュルテンベルク州にいる Rolf Schnebelt 氏はなぜオーストラリアの機械を選んだのでしょうか。Rolf Schnebelt 氏によると、新しいビジネスを始めるのに適切な工具と切削盤を探すのに時間がかかったということです。一般的に使われているマシンの性能に納得できず、さらに NC プログラムをマシンに転送するのに 30 秒以上を要するなど、制御システムも満足できるものではなかったそうです。そんな時、当時の他の競合メーカーとは違うコンセプトを採用していた ANCA 社マシンと出会ったのです。パワフルな制御システム、ユーザーフレンドリーなソフトウェア、さらに現地の ANCA 社の専門家によるトレーニングプランのおかげで、5 軸研削分野への参入が可能になりました。Rolf Schnebelt 氏は「制御速度や軸の動き、達成可能な表面仕上げなど、このマシンの先進性に納得したのです」と話しています。 

Schnebelt 社を訪問した際、製造されている工具の精度と種類の多さに感心している ANCA 社創設者 Pat Boland 氏
 
Pat Boland 氏は当時の状況について「自分たちが1974年にこの会社を設立した時の出発地点がオートメーションであり、常に、新しいソフトウェア、制御システム、さらにオートメーションというコンセプトによって、飛躍的な発展の可能性を目指しています。もちろん、今も昔も、私たちの開発業務はお客様のご要望に基づいていますが、例えば 3D シミュレーション、リニアドライブやレーザー測定システムの導入など、研削技術全体をさらに発展させることも私たちの仕事だと考えています」 
 
1991 年にドイツ ANCA 支社を設立した Jan Langfelder 氏は、同社がいかにして業界に参入したかについて次のように説明しています。「90 年代の初め、私たちの高度な技術は、この斬新なソリューションが持つ可能性を理解して、このマシンを実際に使ってくれる大企業向けのものでした。ANCA 社にとって、自社のマシンの性能を見ていただくことはビジネス戦略において大変重要です。だからこそ、中小企業を相手とする取引を拡大するため、特に革新的な考えを持つ企業にアピールを行い、自社の技術力を実際に見てもらい、信頼してもらえるように努めました。また、お客様の近くで、確かな関係を築くことができることから、ANCA ドイツの設立というのも非常に重要なステップとなりました。何度もミーティングを行ったことで、Schnebelt 社の信頼を勝ち取り、ドイツで2台目となるマシンを設置することができました」
 
Rolf Schnebelt 氏は「始めてANCA 社製マシンを見ることができたのはハンブルグで行われた Nortec 見本市でした。その後、マンハイムの現地訪問を行い、このマシンにすることを決めたのですが、Langfelder 氏の言葉とサポートもまた購入と立ち上げの成功の大きな要因となりました。ランチの席で購入の最終調整をしたこと、購入後も Langfelder さんがセットアップとトレーニングも担当してくれたことなど、今も覚えていますよ。あと、ガレージでの工具切削からスタートしたので、設置スペースも重要な要素でした。ANCA 社マシンの小さい設置面積には本当に助かりましたね」と断言します。

最新の FX5 CNC 5軸式工具研削盤で RoboMate ソフトウェアを操作する Schnebelt Präzision KG の技術部門責任者 Jörg Scheidecker 氏
 
Schnebelt 氏は、それからの数年間で、カスタマイズされた特殊工具を中心に、取り扱う切削工具の幅を拡大し、特に過酷な作業に用いられることの多い超硬ソリッド工具は、1996年にその取り扱いを始めています。この積極的な開発が功を奏して、2002年には総面積4000平方メートルという規模の新しい工場と倉庫を建設しました。2014年には、高性能切削に使用される自社のコートエンドミルの導入を行い、更なる技術躍進をもたらしています。Schnebelt 氏は、その地域のクライアント向けの回転工具の製造と再研削に ANCA 社製マシンのみを使っているそうです。

昨年、会社の35周年を機に、と Rolf Schnebelt と Doris 夫妻は息子である Pascal Schnebelt 氏に会社を譲り、今は妻である Silke と共にビジネスを展開しています。40人のスタッフと新たなブランドイメージと共に、Schnebelt Präzision KG は目標のひとつである市場の開拓と新しいデジタルの可能性を通じて、工具の開発、生産、そして準備の分野の拡大を目指し、奮起しているところです。

その達成に向けて、長年のパートナーである ANCA 社は極めて重要な役割を担っています。ロボットによるオートメーションシステムとさまざまな太さの工具の自動加工を可能にするコレットチェンジャーが搭載された最新の ANCA FX5 により、生産力と高い技術力を持つスタッフを重要なタスクに充てることができました。形やロットに関係なく、このマシンは現在、オペレーターの介入なしに5-6時間継続して稼動しています。


コレット付きツールパレット

Schnebelt 社で長年、技術責任者として働く Jörg Scheidecker 氏によると「小ロットでも高い品質の工具を効率よく、トップクオリティで生産し、そして品質重視の妥協のない再研磨サービスによってクライアントに大きなメリットを提供することこそが当社の特徴となっています。複雑な形であっても、 2 mm までであればどんなに細くても問題ではありません」

工具の設計、形の分析、再研削プログラムの作成は専門スタッフによる作業が求められます。このような高いスキルを持つスタッフの時間は限られているからこそ、オートメーションシステムが効率性の向上の重要な鍵となります。これを受けて、大がかりな変更や長時間を要するトレーニングを必要としない自動生産オプションを用意したのがANCA 社です。

AR300 ローディングロボットを開発したことで、ユーザーがオートメーション製造システムのメリットにより迅速かつ簡単にアクセスすることを可能にする独自の入門レベルソリューションを実現したのです。直径 2 - 20 mm の太さの工具を高速で着脱するためのグリッパーがふたつ付いている費用対効果の高い 3 軸ロボットであれば、床面積そのままで FX シリーズのマシンに搭載することが可能です。さらに、コントロールシステムも ANCA 社製にしたことで、シームレスな統合とサポートが可能です。ANCA 社の RoboTeach パッケージがあれば簡単にセットアップができますし、ANCA 社の RoboMate ソフトウェアがあればプログラミングと操作はユーザーインターフェース上から直接またはモバイルコントロールユニットを使って行うことができるので、初心者でも安心です。つまりユーザーは、ロボットプログラミングに関する知識や経験がなくても大丈夫なのです。


測定プローブを使って振れ補正のための工具測定
 
Schnebelt 社が導入している AR300 のもう一つの利点は、異なる太さを加工することのできる能力です。柔軟で多機能なソフトウェアだけではなく、コレットを変更することが可能なのです。異なる太さの工具は同じ太さのコレット内のパレットに配置され、AR 300 の標準グリッパーが、対応するチャック付きのスピンドルにコレットを取り付けます。こうすることで、同じ太さの異なるバッチに対応できるだけではなく、2 - 18 mm の太さに対応できるようになったのです。
 
Pascal Schnebelt 氏は「このソリューションによって、マシンの適用能力が飛躍的に伸び、その結果、私たちの生産における柔軟性も大きく向上したのです」と話しています。Jörg Scheidecker 氏はさらに、「当初、私たちは細い工具を加工する時の厳しい公差に頭を悩ませていました。しかし、ANCA 社とやり取りのおかげでその解決策を見出すことができたのです」と話しています。純正のコレットとチャックを GDS µGrind に交換することで、求められる公差を達成することができました。新しい工具の場合は、ソフトウェアによって軸方向とラジアル方向の振れをなくすANCA 社の振れ補正システムも利用できます。ブランクは、その工具外径の上下を測定し、デジタルモデルをベースに、研削する際この偏差が補正されるようにプログラムが調整を行います。これにより、どんなに小さな工具であっても交差を数ミクロン以内に維持することができるのです。

 次に目指すのは、ANCA 社の RFID 技術アプリケーションの導入ということになるでしょう。現時点では工具のプログラムはパレット上のポジションベースに割り当てられていますが、この RFID ソリューションでは各ツールホルダーに取り付けられているチップを使うことでよりフレキシブルになり、さまざまな種類が入り混じっていてもセッティングが可能となります。「オートメーション生産システムの導入は上手くいったと思いますし、今後はさらに拡大するかもしれません」Pascal Schnebelt 氏はこう話しています。近いうちにヴァインハイムの ANCA 社を訪問して、このソリューションをデモ機で実際に見ていただくことになっています。

Schnebelt Präzision 社は、ANCA 社主催のツール・オブ・ザ・イヤーの最終選考に残った最初のドイツ企業です。この賞は、5年前から精密工具メーカーに授与されるもので、最も複雑で最も効率的で最も革新的な製品に対して贈られます。次回の授与式は、ドイツのハノーファーで開催され EMO で行われる予定で、コンクールは 2023年5月にスタートすることになっています。




ANCA Europe GmbH 最高業務責任者 Edmund Boland 氏、Rolf Schnebelt 氏、Pat Boland 氏、最高業務責任者 Pascal Schnebelt 氏、Jan Langfelder 氏、ANCA Europe 販売責任者 Martin Winterstein 氏



 

3 10月 2022