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2020年10月
FX5 の出荷数が 1000 台を超え、FX シリーズの汎用性が認められました。
ANCA 社では、最大出力が 12 kW の最新の研削スピンドルを搭載することで、FX5 Linear 2 砥石パック付きマシンをアップグレードし、さらに、19 kW の高出力スピンドルオプションもご用意いたしました。
CNC 工具研削盤は、工具製造コストを最小限に抑えるため、可能な限り最短のサイクルタイムを実施しようとします。マシン性能と研削サイクルタイムには、研削スピンドルの出力パワーが大きく関係しています。
切削率を最大限にするため、この業界では、フルーティング工程においてスピンドルにかかる負荷を 30% から 40% に制限するのが最適と広く考えられています。スピンドルの負荷が 40% を超えると、工具メーカーは、ホイール砥石の寿命を高め、さらにホイールにかかる負荷を抑えようと次のフルーティングに移る傾向にあります。バッチサイズが大きくなると、自動スティック機能の重要性が高まるのです。
ANCA 社は、フルーティング時のスピンドルにかかる負荷を分析し、スピンドル負荷に対して推奨される工程数を特定しました。この分析は、6 mm と 8 mm と 10 mm と 12 mm の異なる直径で研削された 2 本刃エンドミルを比較することで行われました。その結果、9.5kW から 12kW のスピンドルにアップグレードされた最新の FX5 では、1回の工程で直径 10mm までは問題なく研削できることがわかりました。しかし、12 mm の工具の場合、スピンドルの負荷を 60% に上げずに 40% に抑えるには、2回目の研削工程が必要でした。
この点では、新しい高出力の 19 kW スピンドルオプションが大きな違いをもたらしてくれます。12 mm のエンドミルでは、1回の工程で、しかも 40% の負荷で研削することが可能だったのです。つまり、12kW を 2 工程する場合と比べて、1 分 4 秒、時間を短縮することができたのです。
「1 工程の生産性」と工具径
最新の 12 kW スピンドルを搭載した FX5 は、直径 10 mm まで、生産性を向上させることが分かりました。さらに 19 kW の高出力スピンドルオプションにすることで、12 mm 以上の工具の生産性を向上させることができます。FX5 の高出力スピンドルオプションは、6 砥石パックを搭載した FX7 マシンに取り付けた研削スピンドルに匹敵する性能で、より産業向けとなっています。
最新 FX5 アップグレードオプションは、より強力な 19kW スピンドルを備えており、ハイパワーデカールが特徴です。
複雑な切削工具の場合、工具の形の以外にも、実際の研削サイクルに影響をもたらす要因が存在します。使用する研削ホイールの品質と加工材の熱による損傷を回避するために一定温度の十分な冷却液の供給などがこれに含まれます。バッチサイズが大きくなればなるほど、自動スティック機能がホイールを頻繁にリフレッシュするので優れた生産性を実現することができるのです。
お客様は、FX5 の新しい 12 kW のスピンドルがもたらすスピンドル出力によってより大きなメリットを得ることが可能となり、さらに、高出力スピンドルを備えた ANCA 社の最新 FX5 を選ぶことで、工具ルームにより優れた柔軟性をもたらすことはできるのです。さらに高出力スピンドルによって、製造コストを削減し、結果的にさまざまな工具の生産能力が向上するという点も重要です。
*スピンドル負荷分析結果:12 mm の 2 本刃エンドミルは、スピンドルにかかる負荷が40%、1 工程のみで、研削加工に 6 分 51 秒
直径 12 mm の工具に「1 工程の生産性」を適用すると、生産能力が 15.8% 向上します。つまり、新たに標準装備された 12 kW のスピンドルで 8 時間で 60 本製造できるのに対して、高出力スピンドルを使えば 70 本の工具を作ることができるのです。
販売してきた FX5 Linear 1000 台が顧客満足を提供し続ける
FX シリーズ全般で生産された 1600 台のうち 1000 台を占める FX5 は、簡単な作業から再研削、そしてフル生産まで対応できるお客様にとって魅力的な選択肢となっています。さまざまな業界で活躍するアップグレードされた FX5 は、様々な用途に対応可能な汎用性に優れた 2 ホイールパックマシンなのです。
27 10月 2020