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2023年5月
現在、あらゆる業界において、製造から廃棄までの製品のライフサイクルを追跡するニーズが高まっています。このトレーサビリティが部品の使用やメンテナンスなどの履歴を可視化することで、高い工具品質と生産性を維持することができるのです。
様々な工具を、様々なお客様のために生産する場合、工具へのマーキングが重要になります。トレーサビリティを確保するにはミスは許されないのです。
なぜレーザーマーキングなのか
基本的に、部品には番号や文字、ロゴ、バーコード、QRコード、さらに他のマークなどの明らかなマーキングが必要です。さらに、見やすく、判別しやすいものでなければならず、工具が寿命を迎えるまで、長期にわたる耐久性も必要です。
これを実現するため、マーキングには、印刷や塗装など、さまざまな選択肢がありますが、工具へのレーザーマーキングは、他とは大きく一線を画しています。
レーザーは、以前からあり、実績のある確かな技術です。つまり、長年にわたって開発・改良され、信頼性が高く、広く普及しているマーキング技術なのです。工具への影響を最小限に抑えながら、消えることのないマークを刻印することができるので、性能と生産性が損なわれることは決してありません。工具がナノレベルの業界では、それを使用している間はレーザーマーキングが見えないほどです。
レーザーマーキング技術は、製造の世界においても非常に頼りになる存在となっています。この業界では、すべての工具に明確なマーキングが施され、さらに工具が寿命を迎えるまでマーキングが劣化しないことが普遍的なニーズとなっています。
最近は、工具にもトレーサビリティが求められています。そのため、すべての工具に、再研磨の際の追跡を可能にするため、個別のシリアルナンバーが刻印されています。また、航空業界などは、工具の交換時期を見極めるため、使用頻度や用途に厳しい規制が設けられています。
オートメーション化の可能性はあるのか
手作業でのレーザーマーキングは、製造の世界では非常に手のかかる作業です。このプロセスを自動で行うことで、時間と生産性の無駄を省き、精度と反復可能性を向上させることができます。
ヒューマンエラーをなくすことで、スクラップやお客様からのリコール、誤ったマーキングが行われるバッチの量を大きく減らすことができます。手作業がなくなるので、工具の品質を維持することができ、さらに工具の落下、欠け、傷の可能性を大幅に減らすことが可能です。
工具へのレーザーマーキングソリューションを使えば、これを簡単かつ正確に実現します。AutoMarkX は、独立型マシンですが、ANCA 社の統合生産システム (AIMS) にも対応しているので、完全無人作業に設定できるようになっています。また、RoboMate LaserEtch は、ロボットローダーに追加できる組み込み式のシステムで、工程内でマーキングを行うため、場所を取らず便利です。
AutoMarkX は、標準的なパレットやカセットを使い、あとは自動で処理が行われます。そのため、シャンクだけでなく、工具の先端やシャンクの反対側へのマーキングにも柔軟に対応することができます。
このマシンは能力の宝庫です。QR コードをマーキングすることで、シリアライズする可能性をもたらし、お客様トレーサビリティソリューションを提供することができます。さらに、お客様のニーズに合わせて、独立して使用することも可能となっています。工場のキャビネットに設置することもできますし、AIMS と統合して人の介入を必要としない合理的な完全オートメーションシステムの一部としてお使いいただけます。
プロセスのオートメーションにより、オペレーターがレーザーマーキングステーションに常駐する必要がなくなるので、労力の節約を図ることができるのです。
工具へのレーザーマーキングの自動化実現は難しいのか
このプロセスはすべてのメーカーで導入が可能なプラグアンドプレイソリューションです。独立タイプなので、電源を繋げるだけで、すぐにお使いいただけます。
これらのオートメーションマシンなら、設置やセットアップは最小限で済むため、メーカーはわずか数時間でマーキングをスタートすることができ、より付加価値の高い作業をこなすための時間とリソースを確保することができます。また、AIMS シリーズの一部なので、最大の効率を発揮する柔軟性をもたらします。さらに、技術の進歩に合わせて簡単にアップグレードできるのも利点です。
まさにこれは、お客様のためのソリューションと言えるでしょう。ANCA 社は、すべての人に喜んでいただけるマルチなレーザーマーキングマシンを作りたいわけではありません。製品が万人向けであればあるほど、必ず妥協が生まれるのです。ANCA 社が作る製品は、切削工具メーカーのことだけを考えて設計されたものです。お客様のニーズを的確に把握し、そのニーズを満たす製品をお届けしています。
11 5月 2023