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2011年6月
工具製造業界の傾向は年々移り変わります。新たな素材や高速フライスなどの製造方式の進化により、お客様は工具のさらなる性能向上を求めています。それが新しい工具ジオメトリーや精度の向上につながっているのです。
精密工具製造における大きな課題のひとつが工具の振れです。10年前には10ミクロンの振れは許容範囲でしたが、市場は5ミクロンまでを要求、現在は3ミクロンまでとタイトになっています。
工具振れの優れた制御を要求する製造者に対し、工具の振れと倒れを共に減少する精密クランプ・ステディをANCAは推奨します。

マイクロ調整ポップアップステディと精密クランプ・ステディ
精密クランプ・ステディは、工具ブランクを支持するANCA RX7、MX7工具研削盤のためのアクセサリー。装着したたマシンに厳しい振れ制御のスペックを付与します。2006年の発売以来、ANCAは使い勝手の継続的改良と向上につとめ、工具ブランクなら、コレット面から50ミリの位置で測った場合、現在では3ミクロン以下の振れを保証します(RX7/MX7のみ)。
工具振れのクランピングと倒れの原因を除去
その名の通り、精密クランプ・ステディはVブロッククランプとステディの2つの構造から成り、それぞれ個別の機能を果たします。
Vブロッククランプは、回転中に工具がセンターラインに対して不正確な位置の場合に生じるエラー(軸とラジアル振れ)に対応します。対処方法は、工具をオーバーヘッドのクランプフィンガーとVブロック間に固定します。フィンガーからの下方圧力により、工具はVブロックチャネルに対しツルーイングされ、中心を外れて回転する傾向を抑止します。
工具のもう一端の偏向(研削砥石の負荷によりワークピースが移動する傾向)にステディが対処します。工具先端をV型シューで抑えることで、ステディは倒れを抑制するサポートを提供します。

Cim3Dによる精密クランプ・ステディ
2つの個別の構造を組み合わせることで、コレット面から50ミリの位置で測った場合、3ミクロン以下の振れを確保するシステムを実現します。この精度を工具バッチ全体に適応できるのが、精密Vブロッククランプとステディの大きなアドバンテージです。
自由度と精度を保証する精密な調節機構により、このシステムは簡単にセットアップでき、半径1~13ミリの工具に対応します。
必要に応じ2つのコンポーネントをそれぞれ別に使用することもでき、超小型の工具に見られる短い工具の製造に理想的な手段を提供します。
精密クランプ・ステディは新しいマシンとして、またANCA CNC 工具研削盤製品ラインのRX7とMX7用アフターサービスオプションとして提供します。
12 6月 2011