ニュースレターを発行 2022年8月

インデキサブル工具のインサートの生産市場には工具メーカーにとって大きなチャンスが広がっています。さらに、インサート市場が超硬市場よりも大きいというだけではなく、その年間成長率も高いというデータも出ています。 

そのため、この市場に活躍の場を求めるメーカーが多いのも事実です。しかし、同時に、競争力のあるインサートを作るには、独特で多様な課題に取り組まなければなりません。インサートの形状は無限にあります。そのため、オートメーションシステムや工作物保持システム、そしてインサート市場で見られる独特な形と刃先形状に対応するプログラミングソフトを搭載する研削マシンを導入しているパートナー企業が求められます。 
AB Tool Inc. (アメリカ カリフォルニア州)は、これらの課題に対する対策としてANCA社のエンジニアと連携した初めてのインサートメーカーです。

ANCA 社は、インサートの形状や必要な工具製造設備やオートメーションシステムといった主な要素を体系的に取り組むことで、様々なインサート設計に対応可能なMX 切削マシンプラットフォームをベースにしたソリューションパッケージを開発しました。

インデキサブル工具のインサートは、インサート市場の大部分を占めており、その用途は多岐に渡ります。切削や旋削、分断、溶削、ホブ切り、倣削り、ねじ切りなど、インサートの用途とそのデザインに終わりはありません。ANCA 社のソリューションは ISO 標準インサートと特殊形状インサートの両方に対応していますが、ANCA 社のフレキシブルかつ適応力に優れたアプリケーションソフトウェアとオートメーションシステムの開発実績によって、弊社のお客様は、形状や刃先がより複雑であったとしても大きな利益をもたらす特殊インサートアプリケーションに注目する傾向にあります。

ANCA 社がお届けする最新ソフトウェアには、インサートの位置やインデックス、データを正確に特定するための機能が含まれています。さらに、工具プログラミングソフトウェアには、オンエッジ型（接線切削型）インサートとレイダウン（軸線切削型）インサートの両方を作り出すことを可能にする様々な研削機能が搭載されています。 



ANCA 社の CIM3D を使うことで、マシン内での部品の全研削工程を可視化し、実際に切削する前にインサートの完成品をチェックすることができます。

同様に、多岐にわたる用途向けの様々なインサートの形状に簡単に対応可能な工具生産設備とオートメーションシステムも重要となります。これを受けて、ANCA 社では、MX マシンのプラットフォームに、具体的なお客様のニーズに合わせてカスタム可能なモジュール式ソリューションを開発しました。

インサート工具の保持には、定評のあるアンビルシステムが使われています。



 このシステムは、さまざまなインサート穴径や形状、厚さに対応するためのカスタムツールを提供します。さらに、異なるサイズのインサートを研削する時に発生する様々な研削力に合わせて、ピンのクランプ力を変更するオプションも付いています。

フレキシブルさと効率を考えた無人生産のオートメーションシステムも設計されています。 



インサートは業界標準のプラスチックパレットに収納され、また、ひとつのパレットに様々な形やサイズのインサートをセットすることも可能です。さらに、インサートのピックアップとマシンへのセッティングに使用されるロボットツールもお客様の要望に合わせて設計されており、様々なサイズや厚さ、形状のインサートに対応しています。

このような特殊インサートの生産に自在に合わせることを可能にしたソリューションは、お客様と弊社の設計開発エンジニアが共に協力し合うことで生まれました。このような二人三脚でのアプローチにより、お客様からの特殊なニーズを満たし、潜在的な可能性を秘めた特殊インサート市場で成功を望んでいる他のお客様向けのソリューションの基礎が築かれたのです。

 

18 7月 2022