View cart 0

ANCA 社が予想する2023年: アメリカとヨーロッパ

Read this in your language
  • 简体中文
  • English
  • Français
  • Deutsch
  • Italiano
  • 한국어
  • Polski
  • Español

ANCAのニュースを直接受信する

最新のアドバイスや技術のアップデートをもらう

Subscribe

個人情報保護方針

ANCA 社の社長 Russell Riddiford氏とANCA 社ヨーロッパゼネラルマネージャーMartin Winterstein氏が米国およびヨーロッパ市場の今後の動きを考える
 
 

2023年に入って、この市場周辺は不安と憶測が飛び交っています。金利は上昇を続け、迫り来る不況を不安視する声は今も後を絶ちません。2023年、市場全体がこれまでの大きな飛躍を遂げた年 (2018年) ほどではないと思いますが、ANCA 社では、継続的な多角化と航空宇宙や医療、オートメーションシステムなどの成長市場への参入拡大に重点を置いており、今年は多くのチャンスがあると見ています。
 
組織としても機敏性や供給保証の達成ニーズ、そして未来のスマートファクトリーに向けた取り組みなどは、市場の垣根を越えて広がると考えられます。常に変わりゆく市場において、リスクを最小限にするため、企業は機敏に行動しなければならないということをこのパンデミックは教えてくれたのです。
 
2023年、さまざまな業界で活躍する企業がより機敏に、そして起こりうる問題に打ち勝つことのできるソリューションを追い求めるだろうと考えています。つまり、企業の中で、さまざまなスペースで仕事ができて、異なるパーツを素早く、効率的に、優れた費用対効果で実現することのできるマシンやシステムへの需要が高まると思っています。
 
2023年、ANCA 社が最も注目するのが、お客様に再研削技術を提供することであり、この目標は、今年予想される動向である「供給保証の達成」にリンクするものです。2022年、製造業界では1年を通じて、サプライチェーンの問題に直面し、不確実さと販売機会の喪失を招く結果となりました。これを受けて、このリスクを軽減するため、今後は生産能力の一部を社内で行うようになっていくと予測しています。当社の場合は再研削の追求と投資がこれにあてはまるのです。
 
スマートファクトリーは、ここ数年業界で話題になっている言葉ですが、自分はこの傾向は続くと考えています。そのため、競争力を保つため、各企業はコスト削減に取り組みながら、工具の生産力、品質、さらに効率の向上を推し進めています。さすがにまだロボットが作業現場を走るのを見ることはないかもしれませんが、2023年は、多くの企業でスマートファクトリー実現の基礎作りが進んでいくでしょう。
 
航空宇宙
ここ数年、この業界は波乱続きですが、航空宇宙はパンデミック明けの反動で成長を続けると私は見ています。旅行客も増えると予想されており、この業界のこの需要に応える必要が出てきます。大手航空機メーカー2社には新造機の受注が絶えず、政府や国防支出の増加に伴ってこの傾向がより加速すると思います。航空宇宙が力を付けることで、一次請けさらに二次請けのメーカーが潤い、結果的に私たちの業界の需要にもつながるのです。
 
医療
医療業界は、この業界で既に活躍しているお客様を例にとってみると、整形外科用インプラントや特殊工具に向けた需要の増加により、業界の動きが活発で、中でも新素材を使ったより複雑な部品が多くを占めています。
 
オートメーション
2022年は労働力問題が大きな話題となっていました。世界的にあらゆる産業の製造施設で人材確保の問題に直面し、多くの組織が人手不足となり、人手不足を補う方法を模索しなければならない状態になりました。この傾向はこの先も続くと予想されており、2023年もオートメーションシステムがANCA 社のお客様にとって重要な投資となるでしょう。より少ない人員でより多くの生産を可能にするマシンへの需要が高まり、無人操業への注目が集まるでしょう。

 
 

市場が今直面している困難にも関わらず、幸いなことに、ANCA社は問い合わせや受注の件数は安定しています。現在の市場の動きと課題に向けた最新商品が功を奏したのかもしれません。しかし、ヨーロッパ各国に大きな違いが存在しています。
 
サプライチェーンの支援制度や地域ごとのエネルギー価格の緩和政策により、入手可能な予測データは明るくなっており、ANCA社としては、低迷を避けて、成長に向け、好位置につけていると考えています。現在の注文から見て分かるように、ANCA社の最新技術はお客様のコアな問題を扱うものになっています。スカイビング工具向けのGCXはこの分野が成長していることからとても人気で、ヨーロッパではすでにいくつか設置が完了し、今後も複数の設置が予定されています。さらに、AIMS 製造セルについても、年内にはヨーロッパのさまざまなお客様からお話をいただいています。ナノメートル単位での管理を可能にする最新のMX7 ULTRAは、2022年の秋に開催された見本市で高い評価をいただきましたが、今後も安定した発展の見通しを強化するとっておきのイノベーションを用意しています。



 
ANCA 社では、機械部品をはじめ、操縦装置や駆動装置、さらにソフトウェアもすべて自社で開発・生産を行っています。つまり、サプライチェーンの垂直統合によって大きな恩恵を受けており、もちろん絶対ではありませんが、大幅な納期遅れを防ぐことができています。加えて、生産能力に投資していくことで、これをさらに拡大しているのです。また、エネルギー危機に対しても、オーストラリアでは風力発電、ヨーロッパでは太陽光発電を展開しており、これらの投資によって対策を講じています。
 
これらすべてのテーマは、開発における原動力となっています。例えば精密工具の自動生産を可能にするANCA社のAIMSは、高いスキルを持つ職人不足に対応するためのソリューションとなっており、特に、5月にシュトゥットガルトで開催された見本市GrindingHub 以降、大きな関心を集めました。
 
自動車産業は、受注残がかなり良い状態ですが、サプライチェーンの問題やパワートレインの再編成により、まだスムーズに動いているとは言えません。その一方で、木材加工産業とそれに関連する工具メーカーは、今、木材価格の急上昇と新型コロナ明けの飽和状態がビジネスの足を引っ張るという独自の問題に取り組んでいます。
 
全般的に、投資決定を先送りする傾向や持続可能な開発に取り組むのではなく、長い目で見ようとする傾向など、不安が拭いきれていない雰囲気を感じています。
 
 
 
 

 

2 2月 2023