ニュースレターを発行 2020年7月

 
ANCA 社は、お客様に標準的なソリューションと特殊なカスタムされたソリューションを提供する会社として広く知られています。ANCA 社が設計するカスタムソリューションならば、セットアップが簡単なお客様に合った複数のオプションを提供することができます。この難しい市場において、研削工具メーカーは常に革新的な製品を追求し、既存のマシンや最新マシンを使用してさまざまな分野へと活動範囲を広げています。 

ANCA 社では最近、FX マシンシリーズの機能を高めることのできる、より優れた柔軟性と機能を兼ね備えた新製品を開発しました。この製品は、FX5 および FX7 マシンで使用できるツーリングシステムで、木工プロファイルのブレードと筒状 (シャンク) 工具を簡単に交換することができます。

つまり、木工用研削工具メーカーは、ブレードプロファイルを研削した後に、圧縮ルーターのような筒状のシャンク工具にすばやく交換することができるのです。さらに、エンジニアリング工具を中心に扱っているメーカーでは、製品ポートフォリオに木工用ブレードプロファイルを追加することを検討することが可能となります。     
  
 
このツーリングシステムはパッケージとして提供されます。このパッケージには、フラットプロファイルブレードを固定するためのホールドアダプタ (ブレードチャック) と、マシンを変えることなく筒状の工具や木工用ブレードをセットするためのロボットローダーに取り付けるブレードグリッパーヘッドが含まれています。つまり、ロボットのヘッド部分を変更する必要がありません。ブレードグリッパーを使って、筒状の工具をセットするブレードとグリップフィンガーを着脱するのです。オプションのパレットは、ブレードとシャンク工具の両方で使用可能です。

このブレードチャックは プルスタッドクランプ機構で動くようになっています。ブレードチャックと一般的なコレットチャック (筒状の工具用) の切り替えは数分で完了します。20 x 20 mm (0.78") の最も小さいサイズから 80 (3.14”)  x 30 (1.18”) mm の最も大きいサイズまでのブレードプロファイルの自動セットと研削が可能です。このシステムは、既存の FX5 と FX7 マシンへの後付けもできます。

このブレードチャック装置のワーク把持は、挿入深さが 8 (5/16”) から 28 mm (1.10”) の範囲内で調整が可能です。このチャック装置には、異なるサイズのデータムブロックを使うことで、0.5 (0.019”) から 4mm (0.15”) までの薄さのブレードを取り付けることができます。手動セットの場合、このチャック装置には、長さが 120mm (4.72”) までのブレードを把持することが可能で、斜縁ブレードにも対応しています。さらに、着脱時にエアブラスト装置が働くことで、チャック装置に異物が残らないようにします。ノッチやデータムと共に、ブレードの上部、側面、下部のデジタル化も可能です。加えてこのチャック装置なら、アンダーカット機能付きのブレードを回転させることができるので、プロファイルをブレード表面に対して垂直に研磨することもできるのです。
 
ANCA 社には、ブレード用のツーリングシステムに加えて、さまざまなブレードプロファイルを研削するための専用ソフトウェアがあります。使いやすいこのソフトウェアなら、すばやいプログラミングとセットアップ時間の短縮を可能にします。ユーザーは、簡単に把持力やブランク、プロファイルを設定したり、DXFファイルをインポートしたりすることができます。ブレードをさまざまな木工マシンに使用されている工具に取り付けることで、無垢材の家具や幅木やアーキトレーブなどのコンポーネントの切り出すことができるのです。
 
ブレードの刃の形状を研削する際、場合によっては非常に深く削り出すことがあり、その結果たくさんの削りかすを処理する必要があります。荒削り加工は、ブレードから大量の削りかすをしっかり取り除く方法で、サイクルにかかる時間を短縮します。この荒削り加工では、荒削りホイールを、ブランクの上部からユーザーが指定した仕上げ値まで、ブレードに下方向に押し込みます。ANCA 社のソフトウェアを使ってブレードのプロファイルを研削すれば、、ブレードの研削に重要なホイールピボットと逃げ角をコントロールすることが可能です。ブレードソフトウェアとこのフレキシブルなツーリングシステムが、木工工具作りに完全なパッケージを提供するのです。 

8 7月 2020