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ドクター・クールによる「効果的な冷却と潤滑」

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効果的な冷却と潤滑

クーラントノズルに関するヒント

おなじみのクーラントノズルは研削工程に予想以上の影響を及ぼします。

ここではジョン・A・ウェブスター博士が、高品質な表面仕上げとミクロン精度を追求する為に、クーラントの役割について語ります。。

ノズルは研削工程中にクーラント供給することにより、ワーク温度を制御し、砥石を清潔な状態にしてチップの流れとクーラント中の超高圧添加物の役割を促し、切削エリアから濾過システムへとチップを流すため、これまで研削の一工程として使用されてきました。

プラスチック製モジュラーノズルは低圧(2バール)で正常に機能しますが、より高品位な研削を行う高圧下では所定位置から外れる傾向があります。研削ポイントにノズルを向けることは容易ですが、分散したジェットノズルジオメトリーのため近づけて設置する必要があります。

プラスチックより硬い銅や鉄製など高剛性の金属チューブは、先端のカシメの精度が低く、ノズルチップが先端に取り付けられていないとジェットが分散し空気がクーラントに混入します。研削ポイントにノズルを向けるには頻繁にチューブを曲げるため、最終的にチューブの折れが生じます。

コヒーレントジェットノズルは非常に効果的

著者は20年以上前からレーザーのようなコヒーレントジェットノズルは、モジュラープラスチック製や剛性チューブノズルより効果的であることを示してきました。これは特に熱がチップではなくワークに入る研削過程に該当します。砥石速度が6000sfpm以上の場合、砥石表面と共に移動する空気の境界層により、低圧クーラントが砥石面を濡らしません。コヒーレントジェットの高インパクトエネルギーと砥石速度に合わせる能力により空気境界層が取り除かれ、砥石を清掃しクーラントを研削ゾーンに集中させます。

 

ツインジェットフルーティングノズルシステムがANCA TX7研削盤に取り付けられた状態。丸型ノズルが砥石のコーナーを標的に、平面型ノズルは砥石の外軽を標的とします。リングマニフォールド上の丸型回転ノズルによって2枚の砥石外径側が潤滑されます。

 医療や航空宇宙分野で利用されるコヒーレントジェット

ANCA TX7研削盤を使用した医療工具製造者は、コヒーレントジェットノズルを取り付けることによる砥石コーナー磨耗を1/5に削減、粘りっ気のあるステンレス材料のバリと焼けの除去、ノズルと砥石間の間隔を離せることにより、ノズルの損傷を回避し生産性を40%も向上させました。

研削時、この工程を効果的に冷却する流量はスピンドル馬力当たり5.6~7.6ℓ必要です。つまり、5HPの主軸持つ機械には的確な方向に26.5~38ℓの流量が必要です。タービン翼を製造するある航空宇宙部品メーカーは、研削による焼けを制御しようとした結果、年々ノズルの開口部が広がってしまい、10台のマシンセルの内5台しか稼働できませんでした。

各マシンには、同じスピンドル上の2枚の研削砥石を冷却する目的で、直径10ミリのオープンパイプを8本取り付けました。オリジナルノズルを直径4.5ミリのコヒーレントジェットに取り替えた結果、ドレス間隔が倍になり、表面仕上げも向上し、研削力は40%削減、流量は66%削減、さらに焼けの問題が除去され、10台、つまり全マシンが中央システムに制御され稼働しました。

砥石角度に合わせたフルーティングノズルシステムを装備したTX7クーラントマニフォールドの拡大図


コヒーレントジェットシステムの利点

コヒーレントジェットを利用しているメーカーがその利点について話されてます。「我々にとってはコヒーレントジェットシステムの剛性と、砥石からクリアランスが保てることが大きな利点です。それは、接触・研削エリアにコヒーレントジェットを近づける必要がないからです。我々の経験では、銅製またはロックライン型よりもコヒーレントジェットシステムの方が優れた砥石寿命と表面仕上げを実現します。精度の高いジェットを正しい位置に向ける事ができるので、従来の銅製またはロックライン型と比べて、使用するクーラントバンク数/ノズル数も減少し砥石性能も向上します。」

120psiの水を使用したコヒーレントジェットノズルとオープンチューブノズルの比較


コヒーレントジェットシステム利用に必要なほかの条件

工作機械のオペレーターがコヒーレントジェットシステムを利用するには、ノズルを向けた状態で高度な剛性が維持されること、そして高い調整角度をデザインに統合することが重要です。これは、ノズルを向けてから固定できる回転接合箇所のあるノズルを取り付けることで実現できます。事前にハンダ付けされた丸型と平面型ノズルチューブは、特殊なチューブベンダーを使ってノズル先端の極近い位置で曲げることができ、取り外し可能コレットでマニフォールドまたはパイプに固定できます。

これにより、常にチューブに噛み合った従来の圧縮器具と異なり、ジェットを向ける際に軸とロータリーを調節可能にします。平面型と丸型のノズルを組み合わせることで、以上の自由度を用い、複雑な砥石プロファイルもクーラントで完全にカバーできます。

プッシュフィット丸型と平面型のノズルは銅製チューブに取り付けることが出来ます。銅製チューブを使用するMX5のようなマシンに最適です。


改善されたクーラントアプリケーションの更なる利点:

 

·         更に長寿命でハイグレードな研削砥石を使用することで、更に良質な形状ホールディングを得、熱による損傷を回避

·         次の工程前に、熱くなった部分を冷却するのではなく、より良い直接冷却による表面仕上げと品質の向上

·         削減された流量とポンプパワーで、更に効果的な流れとフィルター交換の削減を実現

·         ジェットノズルが動くリスクがないため、ノズルの剛性も向上し、マシンの無人運転が可能

·         砥石(または工具)の取り付け時に前の加工で発生した目詰まりを抑え、一貫したスピンドルパワーと、より良いワークジオメトリーを実現

 

著者のジョン・A・ウェブスター博士は、アメリカのコネチカット州とイギリスで研削工程の理論面と実用面を20年間研究。Saint-Gobainでクーラント実装戦略を6年間実施し、2004年にCool-Grind Technologiesを設立しました。ウェブスター博士のクーラントアプリケーションに関する技術情報の記事はwww.cool-grind.comからダウンロードできます。

 

 

 

 

 

12 11月 2013