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間接膝~インプラント研削

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人工膝関節、人工股関節も研削できる?

 

2008,9年の世界金融危機は世界中の工作機械メーカーに影響を及ぼし、中には50%から80%に生産削減を強いられた会社もありました。このような不況の結果、多くの会社は急変する経済状況から身を守るため、多様化戦略を導入しました。多様化戦略の理想は、充実した「不況に強い」経済的基盤をもつ急成長市場でのハイリターンを提供する投資機会です。
 



このため、CNC工具研削盤業界の既存/新規参入社にとって、医療整形外科インプラント研削は魅力的な多様化戦略の一つになりました。関節再生手術の場合、人工膝関節、人工股関節(ヒップ)、人工肩関節置換術が主流で、製造工程で研削を要する整形外科インプラントと関連機器が必要となります。
 

研削工場にとって今後の成長が見込まれ、より収益性の高い市場への参入機会を、この分野の成長と技術進歩が提供しています。進化するこのマーケットで競争力を維持するには適切な技術への投資が重要です。適切な工作機械と業界の先端を行くCAD/CAM ソフトウエアを組み合わせることにより、市場のニーズに効果的な対応手段を提供します。
 

整形外科に使用される人工膝関節インプラント、骨ラスプなどの研削ルーチンはSiemens PLM NXのようなCAD/CAM パッケージを使用して製造されます。機械NCプログラムは特定の機械に対応したNCポストプロセッサプログラムを使用して作成され、そのプログラムにより部品が製造されます。ポストプロセッサはCAD/CAM ソフトと機械統合の不可欠な要素であり、設計と製造過程では統合による最大の柔軟性を提供することが重要です。
 

医療用インプラントに用いる整形外科グレードの合金を研削する際、十分な成形と表面仕上げを実現するのは容易ではありません。理想的なCAD/CAMソフトと機械の統合は、砥石の修正ルーチンの簡便かつフレキシブルなプログラミング、そして異なる粗研削と仕上研削の作業面形状の選択幅を広げます。研削工程の変更が新たなNCプログラムの作成を要する場合、非効率性を回避するにはCAD/CAM システムと機械の役割を明確に区別することも重要です。
 

2008年における世界の整形外科市場の推定売上げは約US$370億 [1]で、その内 US$122 億 [2] は人工関節分野(人工インプラント等)が占めています。また、人工関節や骨ラスプ、ブローチなどの多くはCNC研削盤を使用して製造されるため、人工膝関節と人工股関節手術が大半を占める人工関節分野にはCNC研削盤が最も適しています。
 

股関節と膝関節形成術は2000年代初期から一貫して2桁の収益増を示し、今後グローバルな関節形成術は年間9%の成長が予想されています。2 整形術市場の中で最も急速に成長している分野ではありませんが、人工膝関節、股関節置換術の需要は世界最高です [3]。


 


人工股関節置換術に使用される大腿骨ラスプ
 

当分野の成長は、あらゆる社会や人口動向に裏付けられ、実質的に保証されています。これら医療処置への高齢者のアクセス増加のほか、世界人口の37%を占めるインドや中国などの開発途上国がこの分野の成長を推進しています。アメリカとヨーロッパが消費の約80%(アメリカ50%、ヨーロッパ30%)[4]を占める最大の市場でありながら、世界人口の比率では僅か17%であることを考えると、この分野の将来にわたる成長をうかがうことができます。 アメリカ以外の人工膝関節と股関節分野の2008年の収益成長率は17%以上で、アメリカ国内の成長率の倍以上でした [5]。
 

人工関節分野における過去10年間の技術の進歩は著しく、特に人工膝関節置換術分野では患者個別設計インプラントの進化という新しい傾向が見えてきました。3Dスキャナー、デジタル彫刻CAD技術などのおかげで患者個別に設計されたインプラントは、数年前と比べ設計/製造コストが削減され効率性も向上しました。整形外科インプラントに対するこの新たなアプローチは、形状の種類が限られた従来製品と比べて明らかな利点をもたらします。
 

なぜ整形外科インプラントの研削にCNC工具研削盤を使うのか?

 

整形外科インプラント市場の進化と成長は、新たな製品や製造工程の革新をもたらします。市場傾向は性差や患者に合わせて設計されたインプラントへと向かう中、製造者はコスト効率と採算性の高い製造工程の利用を求められています。人工膝関節置換術の年間件数は十万単位で、しかもこの件数が年々増えている事、さらに旧式の製造技術を新たな技術に置き換える必要性を考慮すると、市場のニーズが新たな機会を生みだしていることが理解できます。
 

この8年間、整形外科インプラントの手動加工は徐々にCNC研削に変わってきています。CAD/CAM ポストプロセッシングのソフト開発により生産性が著しく向上し、その結果新たなCNC研削ソリューションが近年導入されつつあります。これにより製造リードタイムが削減され、患者個別設計インプラントは、カスタム・インプラントに期待される利益率を実現する持続可能な事業になりつつあります。
 

5軸CNC工具研削盤とCAD/CAM ソフトを統合することにより、整形外科インプラント市場が直面する課題に対応する効率的なソリューションを提供することが可能になりました。解決策を研究する際には、柔軟性、生産性、自動化、さらに先端CAD/CAM システムとの統合がキー・コンピテンシーとなります。
 

膝関節、股関節インプラント、大腿骨ラスプ、リーマー製造には、なぜ ANCA 工具研削盤がベスト・チョイスなのか?

 

CNC工具研削分野で業界の最先端を行くANCAは、切削工具の研削ソリューションを25年以上提供し続け、カスタマイズされた研削ソリューションの提供者として確固たる地位を築き上げてきました。近年ANCAは、整形外科インプラント分野をはじめとした業界のグローバルリーダー達と協力し、Siemens PLM NX CAD/CAMを使用したCAD設計の部品を研削するソリューションを開発してきました。


 

膝間接インプラントのCADモデルを利用し、研削���スがSiemens PLX NX ソフトウエア内で定義可能。
 

整形外科インプラント研削に対応するANCA のソリューションは、既存システムを超えるアドバンテージと競争力を提供します。Siemens NX とANCAのToolroomソフト間の核となる信頼性を明確に定義することにより、2つのシステムの最適な統合を実現するポストプロセッサが開発されました。ポストプロセッサは一般的な研削パス情報を生成し、工程に関する全ての作業をANCAソフトが実行する仕組みになっています。  
 

研削パス生成と製造過程を合理的に分離することで多くのアドバンテージが提供されます。CAD/CAM を使用した研削パス生成は一度だけで十分。生成された同じデータを使用し、異なる直径の砥石を粗研削、仕上研削、さらにスパークアウト研削作業に使用できます。砥石ドレッシングも当システムとシームレスに統合され、CAD/CAM システムに戻る必要もありません。 ANCA CNCの 3D-CRC (カッター半径補正) は、変更済み研削パスを自動計算し敏速に新規砥石直径に対する調整を行います。これにより、同じNCコードを使用して通常の砥石またはスーパー研磨砥石を使用して工具を研削できます。
 

このアプローチにより、加工パラメーター調整時にCAD/CAM ソフトからNCコードを新たに生成する必要がありません。調整/補正作業は、機械上の研削パスと砥石に対して直接行えます。NC コードの再生成が必要なのは、部品形状を変更する場合のみになります。CADモデルに戻る必要がなくなり、製造過程は著しく最適化されます。
 

業界の最先端を行くANCAのToolroom ソフトウェアスイートも更なる利点をもたらします。ANCAの iGrind 工具設計ソフトにより、生成されたNC コードを専用の iGrind 作業に利用でき、全加工パラメーターを定義できるため、CAD生成作業と標準研削作業を組み合わせて自由度の高い設計が可能になります。このアプローチを応用し、一台の機械に一回のセットアップでフライス加工やドリル加工も可能になります。
 

また、ANCAのiGrind にCADが生成した形状寸法をスムーズに統合し、先端的なANCAのCim3D ソフトを使用することで、追加作業を含む完全な研削シーケンスが3Dでシミュレートできます。オフラインの形状寸法検証のほか、砥石とワークの干渉可能性を検出し、推定サイクル時間を計算することも出来ます。
 

整形外科インプラント研削にはANCA TX7+をお勧めします。TX7+ は振動を大幅に抑えるポリマーコンクリートを土台とし、難しい作業を取り扱うための作業領域、 剛性、精度、パワー、そして自動化オプションを提供します。TX7+ には、37KW (49HP)/ 10,000RPMスピンドルと3,000RPM 主軸台が装備され、クイック交換可能なHSKアーバー付の高剛性ドレッサーも取り付け可能です。オプションの振れ止め、ArobotechまたはCNC制御による心押し台を含め、オプションのP軸がCNC制御の工具サポートを提供します。TX7+ には二重砥石パックチェンジャーが標準装備されています。また、オプションとして最大21枚の砥石パックチェンジャーや、自動ドレス用ホワイトスティックも用意しています。
 

Fanuc製ロボットローダーは、整形外科インプラントアプリケーションの自動化に貢献します。このローダーは自動ワーク搬入機能を提供するだけではなく、ロボットは研削作業中でも研磨などの二次作業をローダー作業領域内で実行できます。
 

ANCA がお届けするソリューションにより、広範囲なワーク、切削工具の自由な研削が可能となり、最大限の機械利用効率と汎用性を提供します。整形外科インプラントと機器類のほか、同じ機械を使用して標準切削工具の製造も可能です。競争の激しいマーケットで、先端ソフト機能に支えられた適切な工作機械への投資は、特に整形外科インプラントと機器の分野では成功への重要な一歩につながります。
 

整形外科インプラントや医療機器の研削に、なぜANCA TX7+ が業界ベストチョイスなのかをご自分の目で確認いただくため、最寄のANCA 支店または販売店にご連絡のうえ、製品デモを是非ご予約ださい。

 

参考文献

 

1 The Complete Guide to the Global Orthopaedic Market 2009 「2009年世界整形外科市場への完全ガイド」, Espicom Business Intelligence (www.espicom.com), 2009年。

2 The Future of the Orthopedic Devices Market to 2012 「整形外科デバイス市場~2012年までの見通し」, Global Markets Direct, 2008年12月号, 報告コード: GMDME0754MR。

3 Global Orthopaedic Market - Focus on Hip and Knee replacement 「股関節、膝関節置換術に焦点を当てたグローバルな整形外科市場」、A&M Mind Power Solutions, 2010年1月。

4 Hip and Knee Replacement Market: Overview of the US and European markets - growth in a mature market 「股関節、膝関節置換術市場:欧米市場の概要~成熟市場における成長」、Datamonitor, 2006年10月。

5 For Orthopedic Devices, the Future Is Still Bright 「整形外科デバイスの将来はまだ明るい」、 Anthony G. Viscogliosi, Viscogliosi Bros LLC, 2009年、5月。

6 7月 2010