ニュースレターを発行 2023年4月

ライトアウト生産や無人生産の可能性に注目が集まるのも無理はありません。そのメリットは一目瞭然です。無人運転もしくは少数のオペレーターだけで作業が可能になれば、まず人件費が大幅に削減されます。生産能力が大幅に向上するため、新たな設備や人員を増やさなくても、お客様を増やすことができるのです。

また、監視を必要としない長い時間を要する作業を夜間に移すことができるため、熟練したオペレーターを就業時間内に必要な作業に従事させることが可能となり、柔軟性を高めることができます。
無人生産の人気に大きく貢献しているもうひとつの現実がスキル不足です。熟練オペレーターの確保がどんどん難しくなっていますが、近い将来、さらに難しくなる可能性が高いと言われています。そのため、オペレーターの人数を減らして、生産性を向上させることは、長期的に見れば、企業にとって大きなメリットとなるのです。

しかし、ライトアウト機械加工への移行は簡単ではなく、いくつかのプロセスをオートメーション化すれば何とかなるという単純なものではないのです。機械工場を無人で稼働させるには、考慮すべき要素が数多くあり、変更も必要です。しかし、その導入がもたらすであろう効率と収益を考えれば、調べてみる価値は十分にあるはずです。

ゆっくり始める

ベッドで寝ている間にその日の生産ができてしまうというのは魅力的な話ですが、急ぐ必要はありません。複数のマシンを持っているなら、一気にすべてのマシンを無人生産仕様にすることは考えないでください。1台か2台のマシンを試験的に導入して、様子を見るようにしましょう。
同様に、生産ライン全体も一度に準備しようとはしないでください。生産プロセスの各セクションで段階的にテスト導入してみて、無人運転の潜在的な問題を特定してください。そして、フル稼働生産ラインまで、ゆっくり時間をかけて作り上げればいいのです。

無人化する加工選びをスマートに

最初は、問題が発生する可能性が低く、監視係の介入が必要ない、シンプルなプロジェクトを選ぶのが賢明です。また、ライトアウト生産では、正確さや信頼性よりもスピードが重要であることを忘れないでください。

人件費が節約できているのですから、少しスピードを落とすことでより高い品質を確保できるのであれば、それに越したことはないでしょう。同様に、工具の品質に起こりうる問題を回避するために速度を少し落とすことは、監視なしでマシン作業させる場合には理にかなっています。 

通常であれば、日中にオペレーターの立会いのもとでテストしていない作業を夜間に実行することはありません。ライトアウト生産を行う前にすべてがうまく機能するかの確認を怠るのはトラブルのもとです。


 
ライトアウト加工は準備が肝心

ライトアウトを実現するためには、単にオートメーション化を導入するだけでは不十分です。プロセスの他の要素も、このタスクに対応している必要があるのです。考えてみてください。
 

• マシンに対するサービス（電力や空気など）の信頼性はありますか？
• 停電が起きたらどうしますか？
• 消火設備に問題はありませんか？
• クーラントの取り扱いと使用方法に間違いはありませんか？
• あなたのマシンは現在リモート監視されていますか？また、何か問題が発生したら、どのようにオペレーターに知らせますか？
• 必要な時にマシン内の正しい研磨ホイールにアクセスできるよう、管理は適切にされていますか？

ライトアウト生産への移行を検討しているならば、プロセスのあらゆる要素において高いレベルの予防保守を確保することは不可欠となります。マシンのちょっとした癖をオペレーターがその場しのぎで処理していた場合なども、監視が行き届かなくなると大きな問題になりかねません。だからこそ、問題を引き起こす可能性のある小さな問題でも、必ずスタッフに報告させるようにしましょう。

もちろん、モニタリングも欠かせません。例えば、ANCA 社の REDAX です。このリアルタイムモニタリングソフトウェアは、フロアのすべてのマシンに関する最新情報を提供するだけでなく、必要に応じて指定した受信者にメールやショートメッセージで通知を送信することが可能です。

また、品質管理を保証するための技術も欠かせません。一晩中、欠陥のある工具を生産していても、意味がありません。ANCA 社の LaserUltra のようなプレミアムなインマシン工具測定システムを使うことで、工具と必要な形状を自動的に比較し、必要に応じて補正を行うことで一貫性を確保することが可能です。

 
完全ライトアウトではないかも

無人生産が、必ずしも文字通りの意味である必要はありません。たとえ何もしなくても、少なくともひとりのオペレーターが夜勤として監視することには、確かにメリットがあります。適切なオートメーション化によって、わずかな人件費で生産性を大幅に向上させることができるのです。

ライトアウト加工がビジネスを導く

意図的に、そして適切な計画に基づいてアプローチすることで、無人生産の導入が収益に大きなプラスをもたらします。さらに、この方法を採用するためにプロセスを変更することで、昼夜を問わず生産性と収益性を向上させることができるのです。
 

17 4月 2023