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ANCA 社が考える2023年: 中国とアジア

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ANCA 社中華圏ゼネラルマネージャー Denny Zheng 氏 ANCA 社アジア地区ゼネラルマネージャー Jake Farragher 氏に、中国およびアジア圏におけるこの業界の行方を予想してもらいました。
 
 

2022年は、パンデミックがやっと終わりを迎え、中国の産業建設が世界から注目を浴び、中国の工具市場に明るい兆しが見えてきて、中国での ANCA 社の活躍が活発になり、新たな極みに到達した挑戦の1年で、シーリングやコントロールなど特殊な状況での生産とサービスの調整を積極的に行うことで、お客様のスムーズな生産活動をサポートしようと、全社員が心をひとつにして取り組んできました。

ANCA 社は2003年に中国で事業を開始して以来、市場の需要に寄り添い、中国の超硬工具産業に積極的な貢献を果たしており、2020年には、中国でのANCA 社製品の導入数が世界最大となり、現時点でANCA 社が中国国内で設置した台数は2600を越えています。継続した製品改良の促進とサポートサービスの強化、そしてエンドミルのような精密工具の大量生産を可能にする初のフラグシップ機である「MX7 ULTRA」の非常に高い精度と品質がお客様の高い評価を受けており、同時に、中国研削技術センターと部品修理センターをフル回転することで、中国のお客様により良いアフターサービスと技術ソリューションサポートを提供できるようになりました。

中国での目まぐるしい工具業界の発展に伴い、お客様より高い工具品質とより早いオートメーションシステムを求める傾向が高まっており、これはANCA 社にとっても千載一遇のチャンスとなっています。ANCA 社では高度な技術と革新的な製品をお客様に提供することで、より多くの中国企業の工具の地産化と輸入工具への依存の軽減を後押しすることで、このチャンスを活かしています。2020年に ANCA 社の「スマートファクトリー」コンセプトを立ち上げて以来、ANCA 社では、3Dシミュレーションソフトウェアからインライン測定システムの LaserUltra、ロボットによるローダーによってプログラミングと使用をシンプルにした RoboTeach まで、工具メーカーの生産業務のあらゆる側面へのスマート・マニュファクチャリングの浸透を推し進めています。ANCA 社が導入してきた世界初の技術はいずれも反復的な開発で、生産工程にオートメーションシステムを組み込むことでの生産コストの大幅な削減や工場の ERP システムに研削盤を繋げることでの効率の向上を実現してきました。

2023年を見据えて、ANCA 社では、中国の工具加工産業の自己改革とオートメーション化とIT化の加速、そして世界の工具市場における競争力の向上にどのように貢献できるかに注目していくことになると思います。次の3つの分野への投資を充実させていくつもりです。

一つ目は、私たちの製品と販売の強みを強化することです。市場シェアを拡大し、製品開発力を向上させ、中国でも研究開発センター網をより充実させ、カスタマイズソリューションとターンキープロジェクトの比率を高めていきたいと思っています。また、航空宇宙、医療、3Cのような産業用途のニーズを組み合わせることで、より多くの中国のお客様のソリューションのカスタマイズとお客様の設備や生産ラインのオートメーション率の上昇を支援していくつもりです。

二つ目は、お客様と共同開発を通じて、様々なハイエンド製品や特殊製品向けのカスタマイズソリューションを提供することで、単なる工作機械販売サプライヤーからソリューションプロバイダーへの転換を推進することです。また、高い知識を持つ人材の育成に関して、私たちは工具業界に多くの人材を輩出し、複数の施策を通じて中国の製造業界の急速な発展を促進するため、政府機関や協会、組織、主要大学との協力を模索しています。

最後は、私たちはこの業界のパートナーと協力し、国内の工具生産メーカーのオートメーション化とデジタル化レベルの促進とカーボン大豊とカーボンニュートラルの早期実現に貢献していきます。

 

最近、そのインフラ開発の発展や産業革命、そして電気自動車の分野で世界の注目を集めているのがベトナムです。ANCA 社は、「人を大切にする」という信念に基づいて、このベトナムで活躍しています。ANCA 社から見ても、ベトナム市場の発展は非常に早いテンポで進んでおり、10年前は存在感がなかったにもかかわらず、今では東南アジアで最も重要な市場のひとつに成長しました。さらに、ベトナムに拠点を置くお客様の多くは、主にベトナムに進出している韓国や日本の企業となっています。

サムソン社の進出によりベトナムで最も強い産業であるエレクトロニクス産業はもちろん、さらに VinFast というベトナムの自動車メーカーの誕生により自動車市場にも変化が表れています。以前はほとんどの工具や部品が輸入に頼っていましたが、現在は、自動車向けの部品はベトナム国内で調達されるようになりましたし、今後、この自動車産業は大きく発展すると考えています。ベトナム発展の原動力はもちろん、電気自動車(EV)の普及です。これがベトナム市場に大きなとって大きなポジティブ要素となっているのです。ANCA 社が現地に製造拠点を持つことも、このビジネスにとって有利に働きます。

成長を続ける EV 市場のニーズに応えるため、ANCA 社は、EV のドライブトレイン内外のギヤの生産に使用される工具やスカイビングカッターの研削を専門に行うマシンを作っており、この GCX Linear が、ギヤの切削に適した工具をトータルパッケージにして提供しており、スカイビングカッターやシェイパーカッターの全工程を1回のセットアップで完了できるように設計されています。

ANCA 社がベトナムに注力する理由は、この地域の成長だけではありません。インドへのビジネスシフトも見られますし、ベトナムの成長率も実に高くなっています。多くの企業が、これまでの中国をベースとする生産活動を止め、他の地域への展開を求めており、ベトナムとインドは、多くの企業にとって重要な成長地域になっていくと思います。インドから ANCA 社への受注量にも注目しており、インドはANCA 社にとって3番目の大きい市場となっています。特に、コンピュータや通信、家電の分野は、地産による半導体の登場もあり、さらなる成長が期待されます。

ANCA 社は、さまざまな用途や市場に適した切削ソリューションを取り揃えています。  インドで開催された見本市 IMTEX で、お手頃価格の新世代研削盤 FX5E Linear がインドで初お目見えとなりました。CNC工具研削のファーストステップとなるこの FX5E は、高品質で実績のある ANCA の技術が詰まっており、多様な用途に対応するワンランク上の品質のCNC研削を低価格で実現するものです。

新しい市場や分野に進出し、より大きな利益を得るためのリスク軽減策として、ANCA 社でも事業の多角経営を推進しており、新しい新市場で新製品や新サービスを多様化させ、新規顧客の開拓、収益の向上などによってこの目的が達成されるのです。

多様化が基本です。それには他の市場よりもタフな市場に目を向けることが大切です。そうすることで、この分野での周期的な変動を乗り切ることができるようになるのです。ANCA 社にとって、安定した市場である医療用インプラントや医療用製造業は良い例といえるでしょう。適切な人材を適切なポジションに配置することで、自社のソリューションを効果的に紹介し、質の高い顧客サービスを提供し、ひとつの市場に限定することなく、必要な先導力を得ることができるのです。
 

2 2月 2023