オーストラリアのビクトリア州ベンディゴを拠点とする
The Edge Equine 社は、主に馬用歯やすりを取り扱っている馬用歯科製品メーカーです。また、同社はビクトリア州中央部での研磨サービスも提供しており、地元のタンスメーカーや製材所、食品加工業者向けに、ブローチドリルや環状カッター、鋸刃、ルータービットなどの高精度の研磨を専門に行っています。
同社がこの馬用歯科製品に注目したのは、馬用の歯やすりを研磨してもらえないかという地元の歯科医師の依頼がきっかけです。現在、他のメーカーが電子産業へ移行していく中、伝統的な製品を中心にビジネスを展開する The Edge Equine 社の強みとなっています。
The Edge Equine 社は、48時間以内での製品出荷を可能にするオンサイト製造システムを使い、迅速なサービスを提供しており、世界40か国以上に直接販売を展開しており、アメリカや英国、ニュージーランド、南アフリカに販売店があります。
The Edge Equine 社の
社長 Tim McMahon 氏は「ANCA 社との関係は、中古の TG4 を購入した 2005 年がきっかけでした。それから数年経ち、TG4 を 3 台所有するまで成長しました。ANCA 社はプログラムの作成やマシンのセットアップを支援してくれましたし、初めて FX3 に移行した時も ANCA 社はうちのプロジェクトをつくるためのプログラムを作成してくれました。本当に感謝しています」と語っています。
「2020年、FX5E への投資を行いました。FX3 と古い TG4 では対応しきれないほどに受注が増えたので新しいマシンを探していた時、
ANCA 社アジア太平洋 GM である Jake [Farragher] 氏から、将来的にオートメーションシステムの導入を視野に入れた構造など、当社の成長のきっかけとなる機能が搭載されている最新の FX5E を勧めていただきました。FX3 と FX5E をフロアに設置することで、その移行も大変スムーズでした」
The Edge Equine 社は、主に馬の歯のケアに使用する歯やすりとフロートを生産しています。Tim 氏は「研削するやすりの形状に応じて、サイクルタイムは 14 から 16 分程度です。1回のサイクルで2枚の刃を加工するため、1枚にかかる時間は7分から8分となります」と言い、さらに「世界中のほとんどのクライアントは必要になった時に注文するので、素早い製造と供給が重要となるのです」と話しています。
ANCA 社の FX5E と歩む輝く未来
Tim 氏は「この FX5E の導入により、再研削市場において、より高い精度の研削を目指すことができるようになりました。今は粒状カッターや環状カッター、ブローチカッターを多く製造していますが、最近は獣医の分野での新しい製品ができないか検討しているところです。これは馬の奥歯を切るための歯やすりなのですが、ご覧のとおり、かなり長い切削バーになっています。つまり、FX5E を活用すれば明るい未来が見えてくると考えています」
「この FX5E はロボットを搭載することが可能です。この市場の成長をふまえて将来的な導入を考えており、その時が来たら、ANCA 社に協力してもらって、刃の生産プロセスのオートメーションシステムを開発することになるでしょう。今現在、当社ではマシンへの供給を手動で行っています。まだこれで機能しているので大丈夫なのですが、オートメーションシステムという次のステージへの準備はできています」
「FX5E のもうひとつの良かったポイントは自在な柔軟性です。この導入により、やすりの製造から工具の研削への変更を数分で行えるようになりました。FX3 でもジグのセットアップや交換、研磨ホイールの交換を行うのですが、それにはどうしても時間がかかってしまいます。しかし、今当社が手にした柔軟性はとても優秀で、次の加工作業への移行で時間を失うことがなくなったのです」
「この FX5E は他の製品へと事業の幅を広げる能力と根拠を当社にもたらしてくれた初めての機会といっていいと思います。さらに、社内で自社の製品を研削する柔軟性ももたらしてくれたのです」
Tim 氏は、ANCA 社本社から 2 時間程度の距離にあることもよかったポイントだと考えています。「問題が発生しても、常に誰かが電話で対応してくれて、5時間以内または翌朝には技術者が来てくれます。クライアントが私たちのカスタマーサービスを必要としているのと同じように、私たちもまた高いレベルのカスタマーサービスを ANCA 社に求めており、彼らはまさに期待どおりのサービスを提供してくれています」
Tim 氏は、同社が動物用医療機器業界で成長を続け、The Edge Equine 社が馬用歯科器具製造の分野でリーダー的存在になると確信しており、FX5E と ANCA 社の技術を活用することで、今後 10 年から 15 年以内に獣医の分野で他の製品を製造することを考えているそうです。
「コロナ前は、アメリカで年に 3－4 回、英国とドイツで少なくとも 1 回、会議やミーティングを行っていました。今までもそしてこれからも、このタイプの工具に対して、世界と業界が何を必要としているのかに注視していこうと思います」と Tim 氏は締めくくっています。