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危機を機会に: 工具メーカーが災害を品質向上のきっかけに変えた話

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個人情報保護方針

1976年に設立されたトーラス ツール アンド エンジニアリング社は、多段切削工具の生産者として踏み出しました。二人のパートナーによって設立された当社は、2015年に、長年の社員であった3人が会社を買い取りました。それは、社長のジム・カンタク氏、エンジニアリングマネジャーのロジャー・ワイズ氏、プロダクションマネジャーのリチャード・ティール氏でした。その時点より、イリノイ州シャウムブルグの工場が5300平方メートル以上に拡大し、30人以上の従業員を雇う程大きくなりました。

時が経つにつれて、手動の装置の代わりに新しくて速くて精度優れたCNC機械が取り入れられました。トーラス社が正確に設計され、精密に生産された切削工具で知られるようになり、商売が繁盛しました。

しかし2014年にはアップグレードのペースが急速に上がりました。

2014年の6月に、トーラス ツール アンド エンジニアリング社の工場が全焼してしまい、急いで建て直さなければ、ビジネス自体を失う状況に陥ってしまいました。数週間以内にトーラス社は、少しずつ見えていた成長にも耐えられるほどの規模、7600平方メートルのモダンな物件を手に入れました。

目標を決めて心機一転

「我々はすでに全国ナンバーワンの回転切削工具生産者になる準備を進めていました。そのカギとなるのは、まず、お客さんのアプリケーションに合わせた高パフォーマンスの加工を提供すること。次は一貫性。オーダー一つ一つに対して。最後は製造。どれだけ速くて効率よく工具を造り出せるかですね。」とカンタク氏が話します。

火災は、結果として、トーラス社に稀な機会を与えました。それは、今までしようと思っていた、会社が目標を達するのに必要な改善を全て取り入れるチャンスです。

「新しい施設には、ワークフローが向上し、製造費が削減でき、そして目標の大量生産の容量と工具品質が可能になるように、市場最高のテクノロジーを入れ始めました。」とティール氏が言います。

「大きな課題の一つは、従業員に古いやり方を忘れてもらって心機一転してもらう事でした。しかし、向上が見え始めたら、新しいテクノロジーに賛同するようになりました。」とティール氏は観察します。

「最新テクノロジーとサポートの意味で、ANCAは我々が行きたい方向に進んでいる印象がありました。我々のような中小企業へのサポートは、特にアプリケーションの部分では本当に役に立ちます。それに、サポートをお願いすると、現地サービスエンジニア二人のどちらかが、二、三時間以内に駆けつけてくれます。そういう約束をしてもらって、実際に果たしてくれています。」
 

「ですから、既に工具の設計と製造の新しい方法を取り入れたくて、動き出していた我々にとって、火災は不幸中の幸いでした。」とティール氏が話します。
 

目標1: 火災からの回復 

トーラス社は、以前は他社のCNC研削盤を使っていましたが、それらは火災でなくなりました。「違う加工マシン設計会社のマシンと方法を使ってきたので、面白いのです。」とティール氏が振り返ります。「15年間、他社のCNC研削盤を使ってきたので、作業者、設計者、機械工は、そのプロトコルに従って工具を加工するのに慣れていました。」

引っ越しが始まったら、ANCA一筋でした。「まずはFastGrindを何台か入れて、その後、割とすぐにANCAの新しいマシン4台がドアから入ってきていました。」とカンタクしが話します。
 
「工場内のワークフローを見てみました。以前の工場ではマシンが計画性なく、ただ空いたスペースに置かれていました。火災後は、より効率の良い工場ワークフローを実現できるように、色々なことを物理的に変えました。扉の素材、工具素材の事前加工、ANCAマシンでの研削、そして確認や運送方法も変わりました。」
 
 
目標2: 新鮮な工具設計で工具パフォーマンスを向上

「ANCAマシンばかりの新しい工場に引っ越して、最初の半年ぐらいは苦労しました。」とティール氏が話します。「チームが工具作りの新しいプロセスを習わなければいけなかったから。私が言ったのは、『今までのやり方を忘れて、その代わりに、お客さんの仕事をベストにこなせる理想の工具になるように、非現実的でいいから、最高の設計、表面仕上げ、形状を想像しよう!』と。」
 
トーラス社は工場のフロアにシミュレーションステーションと呼ばれるエリアを設置しました。それは賑やかな工場の中心に設置した、作業者がいつでも使える4脚の椅子。ティール氏はこれが生産者の冷水器のような存在、つまり自然に会話しやすい場所、だと言います。「デサイン用の椅子を生産中の工場フロアに一緒に並べることで、最高の工具設計に繋がるような会話と情報共有を引き出せるかな、と考えました。」とティール氏が説明します。もう2台のANCA CIMulator3Dのシートはフロントオフィスにあります。
 
 
目標3: 全てのプログラムを一か所で保存し、紙を無くす

トーラスは、あるマシンはある工具専用という、以前のやり方から離れたいと決めていました。ボトルネックの原因になりますし、複数の作業員に複数のシフトがあるので、製造切り替えが悪夢のような状態になりかねない。マシンを自由に多目的で使用できるようにする事と、全てのプログラムを一か所で保存する事は、工場フロアの問題を解決するための大きな一歩でした。
 
ANCAマシンに投資したことで、トーラス社は全てもプログラムを一か所にまとめて保存できるようになり、どの工具プログラムも確実に再現できる状況を作れました。
 
「これでANCAマシン全16台はサーバで接続されていて、どれもローカルで動いていません。エンジニアリング部でプログラムとセットアップを承認する流れになっているので、どのプロジェクトも毎回全く同じように実行されます。足し書きのノートも、すべてプログラムに付けて保存されます。これも我々にとって大事なポイントです。紙無し。色々なノートや変更がある状態で、一貫性を保つのは難題でした。」とティール氏が話しました。
 

目標4: サイクルタイムを削減、ターンアラウンドタイムを向上
 
「ANCAマシンの汎用性のおかげで、以前の長いサイクルタイムと手間のかかるプロセスでは効率悪すぎて考えられなかった新しい工具も、今では検討できます。現在進行中の最大のプロジェクトでは、サイクルタイムを40%減らす事が出来ました。それも以前、常にサイクルタイムを減らそうとしていたプロジェクトなのです。」とカンタク氏が話します。
 
目標5: 工具メーカの経験をとらえる

我々の従業員の中には、工具作りの技術と経験が豊富な先輩工具メーカのチームが居ました。ANCAマシンとCIMulatorとToolRoomソフトウェアの組み合わせで、その知恵をとらえて、今後の為に保存することができました。」とティール氏が振り返ります。

目標 6: プログラミングの単純化

CIMulatorでは、メニューが中心になったプログラミングのため、そこで設計した工具を研削するのが簡単です。ANCAのToolRoomソフトウェアスイートは幅の広い工具種類とアプリケーションに適していますし、工具形状パラメータは使いやすいインターフェイスで入力します 。
必要な工具種類によって、作業者が簡単に工具プログラムをセットアップまたは調整することができます。更に、上級ユーザなら、上級ソフトウェアページでは複雑な工具設計とオペレーションも可能です。ToolRoomはドリル、ミル、プロファイル工具、バリ、ラウターやその他様々な特殊アプリケーションに対応しています。
 
                                          
 
 
 
トーラス ツール アンド エンジニアリング社は、径3mm~80mmの特殊丸い堅固切削工具を製造しています。製品はハイスピードスチール(HSS)や超硬で製造されます。

 
 
 
工場のシミュレーションステーションは、研削作業員と工具設計者が効率よくコラボできるよう、工場フロアの中心に設置されています。ステーションにはANCAのCIMulator 3D設計とプログラミングシステムがあり、4人が同時に使用できるようになっています。
 
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