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待機手術の再開に伴い、整形外科インプラント研削が本格化

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グローバルな整形外科関連の医療器具市場の成長が CNC 工具切削業界にとって魅力的な多角化戦略を後押し

 
COVID-19によって世界が受けた影響は甚大であり、予想を超えた形で人々の生活に波紋を投げかけています。これを受けて、多くの国の医療システムでは、COVID 感染増加への対処するために多くの人的資源確保が求められた結果、すべての緊急ではない手術中止の決断を余儀なくされるという危機的状況に陥っています。医療システムがパンデミックの課題に直面する中、現在、多くの医療機関では待機患者への選択手術を増やすことを検討しています。

英国では、人工関節置換術を含め、1000万人近くの待機患者が整形外科手術を待っていると言われています[1]。一方、米国で行われた最近の調査では、パンデミック後の待機患者数は、整形外科だけで100万人を超えると予想されています[2]。これらの待機手術をさらに困難にしているのが、人口の高齢化に起因する整形外科手術の確固たる増加です。特に変形性膝関節症は先進国で最も多い身体障害性疾患のひとつとなっています。
パンデミックがマクロ経済にもたらす課題は、すでに全世界で表面化しており、工具研削業界にとっても、多くの伝統的な分野が不安定な状態となっています。しかし、そんな今だからこそ、工具およびフライス研削企業にとって、多角化こそが機転の利いた戦略となります。つまり、多角化によってチャンスをつかむことは、ビジネスを守り、成長させるための実績あるシナリオなのです。
 


 
グローバルな整形外科医療器具の市場規模は、2019年に534.4億米ドル達しており、さらに2020年から2027年の間には年平均成長率 6.6%を記録し、2027年には685,1億米ドルに達すると予想されています[1]。中でも人工関節がこの市場の大きな成長のきっかけとなると言われています。このような理由から、整形外科医療用インプラント研削は、CNC 工具切削ビジネスにとって魅力的な多角化戦略となるのです。人工関節置換手術は膝関節や股関節、肩関節の手術が最も多く、これらの手術には、整形外科用インプラントや関連器具を必要としており、一般的に、これらの製造過程では研削が行われています。

医療業界向け研削工具は、非常に高いカスタマイズ性と複雑性が特徴となっていますが、この分野の成長と技術の進歩により、この大きな成長を遂げ今後もますます拡大していくと思われる分野への参入が注目されているのです。まず、この発展し続ける市場でやっていくには、正しい工作マシンと業界最先端の CAD/CAM ソフトウェアへの投資が不可欠です。

膝関節用インプラントや骨やすりなど、整形外科で使われている器具の研削は、Siemens 製 PLM NX のような CAD/CAM パッケージを使って生産されるのが一般的です。NC ポストプロセッサで特殊なマシンを対象とする NC プログラムを生成し、これを使って部品生産が行われます。つまり、ポストプロセッサが CAD/CAM ソフトウェアとマシンを繋ぐ要となり、そのおかげで、工具設計および生産において、最大限の多様性を確保することができるのです。 


 
整形外科医療用インプラントグレード合金の研削において、その形状と表面の仕上げに求められる要求を満たすことは容易ではありません。しかし、CAD/CAM ソフトウェアとマシンを一体化させることで、ホイール研磨工程をより簡単でフレキシブルにプログラミングしたり、粗削り用や仕上げ用の研削ホイールの形を自由に選んだりすることが可能です。さらに、CAD/CAM システムとマシンの役割を明確にすることで、研削工程の変更時に CAD モデルから NC プログラムを変換する際に生じる非効率性を回避することができるのです。

整形外科インプラント市場の拡大と成長が、新製品と生産プロセスにおけるイノベーションを後押ししています。市場が性別や患者に合わせた特殊インプラントに移行するにつれて、メーカーは最もコストパフォーマンスが良く、将来的にも有望な生産プロセスを求める傾向にあります。近年、CAD/CAM のポストプロセッサ分野でのソフトウェア開発によって生産性が格段に上がり、新しい CNC 研削マシンが市場に姿を現してきています。こうして生産におけるリードタイムは縮小され、患者に合わせた特殊インプラントが利益率の高いビジネスとして確立するようになったのです。

5 軸式 CNC 工具研削盤と CAD/CAM ソフトウェアを組み合わせることで、この整形外科インプラント市場がもたらす課題に効率的なソリューションが提供されています。いろいろ使えて、生産性に優れ、オートメーション化されていて、主な CAD/CAM システムを組み込まれていることが、潜在的なソリューションを検討する際に重要となるのです。

マシンと医療の関係 -整形外科インプラント研削向け ANCA 社ソリューション

45年以上にわたって研削ソリューションを提供し続けてきた実績を持つ ANCA 社は、整形外科インプラントの分野におけるグローバルリーダーやその他の産業と協力することで、SIEMENS 製 PLM NX CAD/CAM ソフトウェアで設計された部品研削ソリューションを開発いたしました。

Siemens NX と ANCA 社の ToolRoom ソフトウェアとの間の責任を明確に定義することによって、ふたつのシステムを最適な形で融合させるポストプロセッサを開発しました。そして、このポストプロセッサが研削パス情報を一般的な方法で生成することでプロセスに関するすべてのタスクをソフトウェアに委ねることができるようになるのです。


理論的に研削パスと生産プロセスを区別することでたくさんのメリットを得ることができます。まず、CAD/CAM システムでの研削パスの生成は 1 回のみで、同じ研削データに使用する粗削り用や仕上げ用、さらにスパークアウト加工に使う複数の直径サイズのホイールを搭載したマシンでこのパスを使用します。ホイールのドレッシングも、CAD/CAM システムに戻る必要がなく、このシステム内にシームレスに組み入れることができます。ANCA 社の CNC の 3D-CRC (フライス工具径補正) 機能では、自動で修正した研削パスを算出し、臨機応変に新しいホイール径に合わせるので、同じ NC コードで、従来のホイールまたは超研磨性ホイールを使って部品を研削することが可能になります。

このような仕組みを作ることで、プロセスパラメータを調整する必要がある場合でも CAD/CAM ソフトウェアから NC コードを再生しなくてもよくなり、効率よく生産することができます。マシン上で直接、研削パスやホイールを調整したり、補正したりすることが可能で、部品の形に変更を加える必要がある時にのみ、NC コードの生成が求められるのです。

ANCA 社の iGrind 工具設計ソフトウェアならば、生成された NC コードを専用の iGrind の作業工程で使用できるため、プロセスのすべてのパラメータを設定することが可能です。これにより、CAD で作成された作業工程と他の一般的な研削作業工程を混在させることができるので、特殊な部品の設計でも柔軟に対応します。さらに、フライス加工とドリル加工を、1 回のセットアップで、同じマシンで行うことが可能なのも特徴です。

CAD で生成された形と ANCA 社の iGrind ソフトウェアへシームレスに取り込むことで、すべての補助的作業を含めた研削の流れ全体を、ANCA 社の CIM3D ソフトウェアを使って 3D でシミュレーションすることもできます。オフラインでの形の検証に加え、さらに衝突のリスクや想定されるサイクルタイムなどを確認することが可能です。

ANCA 社の Txcell は、膝関節インプラントの仕上げに必要なフライス研削とホイール研削の両方を行います。振動吸収力に優れたポリマーコンクリートの土台を採用している Txcell は、37KW (49HP) 10,000RPM のスピンドル、3000RPM のヘッドストックドレッサーが搭載されており、さらにクイックチェンジ式の HSK アーバーを備えた二次ドレッサーが固定されているのが特徴です。オプションの P 軸には、オプションの安定装置、Arobotech または CNC 制御テールストックを含む、CNC 制御の工具サポート機能が備わっています。この TXcell にはオプションのホイールパック交換モデルがあり、24 のホイールパックまで対応可能です。さらにオートメーションによるホワイトスティック装置もご利用いただけます。

整形外科インプラント向けオートメーションシステムは、Fanuc ロボットローダーが広く使用されており、自動で部品をローディングする機能だけでなく、このロボットは、マシンが研削している間に、ローダブース内で研磨のような二次作業を同時に行うことができるようになっています。

高い技術ソリューションが、幅広い整形外科インプラントや標準的な切削工具の研削に柔軟に対応し、マシンの利用と多様性を最大限に高めます。競争の激しい市場において、最先端のソフトウェアによって強化された適切なマシンに投資することこそが、特にこの目まぐるしく変化する分野で成功を手にするために重要となるのです。

 
APMEN の許可を受けて掲載しています https://www.equipment-news.com/

21 5月 2021