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なぜ当社はパンチ研削盤の製造を止めたのか?

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答:

 

..... パンチ研削には現在もっと良い方法があるから.....
 

CNC工具研削盤はドリルとミルだけではなく、年々増え続ける各種の研削作業を行ってきました。今日では、ブローチ、リーマー、インサート、バー(医療用の小ドリル)のほか、医療機器も工具研削盤を使用して製造されています。多機能性と精度、さらにスピードも向上した最新の5軸工具研削盤は、医療インプラント、タービンブレード、そしてピニオンギアの製造にも利用されています。
 



タレット、ピルパンチ、さらに一部のインサートまでCNC工具研削盤の対象になると弊社は予想しています。ANCAのヒット商品PGX を昨年製造中止にしたことは、この予想に対する自信を表しています。PGXは20年もの歴史を誇る、専用大型砥石を使用した3軸パンチ研削盤です。その原型となったCL4は、ピルパンチ研削用として20年前にイギリスのエリザベス・カーバイドに設置された初めてのパンチ研削の実例でした。なぜパンチ研削盤の製造を停止したのかと尋ねる方々もありますが、その答は「パンチを研削するには、パンチ研削盤より工具研削盤の方が有利だから!」と単純です。とは言え疑念はごもっともです。そこで、専用パンチ研削盤よりANCA工具研削盤を使用した方がより良いソリューションである理由をご説明しましょう。
 

事実1: パンチを研削する際に大きな砥石は不要

 

業界一般の通念としてHSSパンチを研削する際、粗研削に要する高速な金属除去を実現し、大量の研削ワークを可能にする十分な砥石材料をもつ24〜30インチ(600-760mm)サイズのシリコン・カーバイド、または酸化アルミニウムの砥石を用いる大型研削盤が最適とされています。しかし、近年の砥石の高い研磨力と著しい進歩のため、この見解は妥当とは言えなくなりました。 30インチ のCBN砥石は非常に高価ですが、小径でドレス可能なCBN砥石をCNC工具研削盤に使用することでパンチ研削の時間を短縮でき、パンチ研削盤に取付ける大型標準砥石と比べ、寿命も同等またそれ以上になります。  

アプリケーション専門家トム・グルールはこう語っています:

 

TX7+に初めてパンチ研削アプリケーションを導入した当時は、ANCA PGXと他社のパンチ専用研削盤の両方を活用する勉強熱心で懐疑的なお客様も何人かいました。弊社は数ヶ月かけて工程の微調整を行った結果、PGXに大型酸化アルミニウム砥石を取り付けて得た結果と比べて、8” (200mm) のCBN砥石で同等またはそれ以上の金属除去速度を安定して実現しました。さらに、大型砥石と比べ小型砥石はアーク半径がかなり小さいため、尖った角周辺のトラバース時間も削減できる事が分かりました。これらの要素により、ANCAのPGXを含む専用パンチ研削盤よりも、TX7の方が速いサイクルタイムをお届けできるのです!」

 

さらに、ANCA TX7+ の統合砥石チェンジャーにより、同じサイクル中に粗研削用と仕上げ研削用の異なる砥石を使用できるため、時間とコストをさらに削減できます。 
 

事実2: 工具研削盤は最も厳しい公差に対応

 

近年、工具研削盤の剛度と精度が益々高くなっています。厳しい精度要件これは工具研削盤はこの状況に対応し、プロファイル精度が非常に重要なパンチ工具を含め、常に5ミクロン以内の精度を実現しています。パンチを研削する際の金属除去は高速ですが、ANCAの工具研削盤はパンチ工具とインサート市場が要求する精度を実現することができます。アメリカのウィスコンシン州、ムクワナゴにあるRigibore 社のアンソニー・バセット社長はパンチ研削に関してこう語っています:

 

「多様性豊かなANCAとANCA iPunch ソフトを使用することで、常に1~2ミクロン以内の精度を確保しています。」

 

TX7+に適合した高研磨力の小型砥石を使用すると精度が向上する理由は、大型多孔質酸化アルミニウム砥石と比べ、前者の砥石では精確なドレスと砥石のバランスを維持しやすいことです。イギリス、ラグビー市にあるAW Precision社の取締役社長アンドリュー・ウイットワースはこう語っています:

 

「砥石のドレス表面積が小さくなるため、大量バッチ処理時のサイズによるロスという問題が解消された。TX7+を使用して、3mm (0.1”) から 32mm (1.25”)までのパンチを研削している。」

 

事実3: 5軸で全種類のパンチに対応

 

パンチの多くは3軸で研削可能ですが、プロファイルが完全な凸型ではなく、一つ以上の凹型部分が含まれている場合があります。これらのパンチは通常キーホールパンチと言いますが、従来の専用パンチ研削盤で研削はできません。凹曲面端面に向かって研削します。5軸研削盤は端面研削できるように最適化されているため、現在のCNC工具研削盤であれば、スピンドルサドルを振ることで、そのままキーホールパンチを研削できます。 さらに、ANCA工具研削盤付属のローターリードレッサーと手軽に使えるソフトを組み合わせることにより、砥石を使って希望のキーホールパンチを素早くドレスできます。
 

その上、ANCA CNC 工具研削盤 はパンチ研削中に接触ポイントの周りを簡単に旋回できるので、バックテーパーも簡単にセットアップし研削できます。ウイットワース氏は「(TX7+を使用して)パンチ上のポジ/ネガテーパーと ”遊んで” みた。PGXを使っていた頃はネガテーパーを実現するのに苦労したものだ」と振り返ります。
 

この程度の柔軟性で満足できないとしたら、これまで別の機械を使っていた追加工程を研削盤だけで実行できるとしたらいかがでしょう。ANCA TX7+ はパンチの端面を対象に、パンチの要求トン数を減少するルーフトップ、その他のシアープロファイリング研削を実行できます。TX7+に砥石チェンジャーを取り付ければ、研削砥石を回転ドリルに自動換装し、研削したばかりのパンチ工具端面に突き出しピン取り付け穴を直接ドリルできます。しかも、この全てが一回のセットアップで実行できるのです。専用パンチ研削盤だけでは不可能な作業を実現する高機能な研削盤というわけです。


事実4: 工具研削盤こそが利益を生み出す

 

パンチ工具研削を目的としてANCA工具研削盤を設置する最も大きな利点は、他の工具研削作業にも同じ研削盤を利用できるという著しい多機能性です。パンチ工具の受注が減少した場合、TX7+を再設定して標準工具を製造/研磨できるのです。また、急成長の医療器具であるインプラント研削にも挑戦してみたらいかがでしょう。 ANCA工具研削盤はこれら作業にも十二分に対応可能です。
 

秘密は高い評価を維持し続けるANCAのソフトウェアにあります。最も柔軟性の高い工具研削と研削シミュレーションソフトとして世界中に知られており、ANCAのパンチ研削用ソフトパッケージ(iPunch)と3Dシミュレーション(CIMulator3D)をANCA TX7+と併用することにより、高品質なパンチ工具製造をあっという間に実現できるのです。
 

要約すれば、近年の高研磨力をもつ砥石の著しい進歩、精度と剛度の向上する工具研削盤、さらに先進的な5軸制御システムの柔軟性とパワー、そこにパンチ研削のアプリケーションソフトを組み合わせることで、専用パンチ研削盤よりANCA TX7+ 研削盤とiPunch ソフトを併用するシステムの方が、パンチ研削市場における競争力が確実に高まるということです。そして、それこそがヒット商品であった専用パンチ研削盤の製造をあえて停止することになった理由です。パンチ研削ニーズにもANCA TX7+ を是非ともご検討ください。
 

とはいえ、使ってみなければわからないこともあります。 TX7+のテストドライブで実際にパンチ工具を研削し、ANCA 工具研削盤と大型砥石の性能を比較していただくため、すぐにANCAへご連絡ください!

 

 

19 7月 2010