E-Sharp News December 2024

生産工程が進化を続け、新技術が従来の生産方式に革命をもたらす中、これまで以上に重要視されるものが、生産性です。

生産性の向上を追い求めることは、コストの削減と利益の向上に不可欠です。そして、この生産性の向上は意外なところに隠れています。

例えば、現在の CNC マシンがもたらすオートメーションシステムと精度は、できる限り効率的に切削工具を生産することを保証するものですが、選ぶ技術、特にその技術の使用方法こそが、ビジネスの生産性を大幅に向上させる鍵なのです。

加工におけるわずかな変更が、わずかな時間短縮に繋がります。そして、このわずかな時間短縮が収益に大きな変化を生み出すのです。

それでは詳しく見てみましょう。

オフラインでの準備と測定

工具とフライスカッターの研削マシンは、生産現場で切削工具を一気に研削するため、パレットにブランクを装填する作業や必要なコレットとサポートシュー、パレット、研削プログラムを集める作業など、常に何らかの準備を必要としており、決して怠ることのできない工程です。しかし、優れたグラインダーを使って、これらの作業を事前に管理することで、マシンのダウンタイムを大幅に削減することが可能です。ほとんどの場合、マシンがバッチを研削している間、オペレーターがこれらの作業を行います。必要な工具や図面、研磨ホイールの測定作業をオフラインで用意すると同時に、研削プログラムもマシン管理装置に直接ダウンロードされ、さらに効率を高めます。

工具クイックチェンジシステムが生産性を素早く向上させる

セットアップにかかる時間の短縮は、生産量と利益を上げるためには、最も手っ取り早い方法です。例えば、ANCA 社のマシンに標準装備されている自動ホイール交換システムは、様々な種類の切削工具に合わせた研磨ホイールパック選びとセッティングを助ける工具のクイックチェンジ技術のひとつです。研磨ホイールチェンジャーソフトウェアが、ホイールの使用状況を追跡し、「冗長ホイールパック」機能を使い、別の研磨ホイールをセッティングするようにプログラムすることができます。これらの機能が、マシンのダウンタイムを大幅に削減するのです。

自動コレットチェンジャーは、ANCA 社マシンに装備されているもう一つのオプションで、多様なシャンク径に様々な種類の工具をプログラムすることができるので、シャンクのサイズに合わせてコレットを交換する際のセットアップ時間が不要になります。これもまた、生産性を向上させるための時間節約術なのです。

最新設備は生産性を向上させる

技術は常に進化しており、最新の装置がいかにこれまでの装置よりも精度と効率が向上しているかが分かります。また、ひとつのマシンを使い続けた場合、生産性を向上させるために二次加工にかかる時間を考えると、経済的にも交換した方が有利になることがあるのです。

在庫管理の効率を考える

適切な在庫計画が、収益に大きな違いをもたらします。必要なものが足りなくなり、納期が遅れてお客様をがっかりさせるようなことは避けたいですよね。でも、不必要に多くの在庫を抱えることは、キャッシュフローを危険にさらすことにもなりかねません。適切な企業資源計画が、あなたのビジネスに可能な限りの効率性をもたらすのです。

痒い所に手が届くウィザード

ANCA 社の CNC マシンには、対話型のプログラムインターフェイスが付属されており、時間の節約を実現します。プロジェクトに関する 3～4 つの質問に答えるだけで、パラメータのほとんどがすぐに設定されます。

あとは、希望通りになるように微調整を加えるだけで、準備は完了です。

もちろん、前に作ったことのある工具であれば、さらに簡単です。ツールブラウザを使えば、数秒で以前のプログラムを読み込むことができるので、すぐに作業に取りかかることができます。工具研削、研磨ホイール、ドレッサー、測定作業、取り付けなどに関するファイルを含むパッケージを読み込めば、オンデマンドで研削することができるのです。
 
ホイールパックが止めさせない

もうひとつの時間節約方法が、ホイールパックシステムです。FX、MX、TX Linear シリーズには、それぞれ最大 4 つの研磨ホイールを搭載できる独立型ホイールパックがついており、必要に応じてその場でホイールを交換することが可能です。これであれば、もう倉庫で適切な研磨ホイールを探すこともなく、最悪の場合は必要な研磨ホイールを業者に注文しなければならないこともなく、ダウンタイムがありません。

さらに、ホイールパックの交換と一緒に、クーラントも交換することが可能です。そのため、ホイールパックを交換するたびにクーラントの位置を調整する必要がなく、さらなる時間の節約が実現します。

マシン内測定

もちろん、すべてのANCA 社製 CNC マシンは、マシン内測定システムが装備されているので、工具を取り出して、個別に測定する必要がありません。

振れの測定と完全補正を行う最新のソフトウェアが、コレット付近のブランクと工具先端の振れをデジタイズします。ここで、測定された値は評価され、実際のブランクで切削形状が研磨されます。つまり、生産性の向上と廃棄物の減少を意味するのです。

iView システムでは、カメラを使って工具の形状を測定し、さらにソフトウェアがはじき出した理想的なオーバーレイ形状と工具を比較し、精度を保証します。また、ANCA 社のインプロセス工具測定システム LaserUltra も選択が可能です。機械内に取り込まれているこのフルオートメーションシステムは、レーザービームを使って、工具研削盤から切削工具を取り外すことなく、工具の寸法を測定します。次にソフトウェアは研削された工具の実測値と名目上の工具の形状を比較し、必要に応じて、マシンが自動で補正を行い、工具があるべき公差の範囲内にあるか確認をします。つまり、時間の節約だけでなく、廃棄部品を減らすことで、コストの削減も期待できるのです。

RoboMateはあなたの強い味方になる

さらに、ANCA 社 RoboMate ローダーシステムが供給作業をフルオートメーション化することで、さらに時間が節約できます。工具をピックアップする高さやコレット挿入の深さなどの供給パラメータは、LoaderMate ソフトウェアがコントロールし、違うグループのブランクやコレットを供給し、最適なタイミングでマシンが自動で次のプログラムに切り替えることが可能です。そのため、オペレーターはマシンに任せて別の作業をすることができるため、生産性が大幅に向上します。

この RoboMate は、MX シリーズでは 2 パレットが標準装備されていますが、設置面積を増やすことなく 4 パレットまでアップグレードすることが可能です。

生産性＝利益

技術とソフトウェアがどんどん進化していく中、生産性をさらに向上させるチャンスは必然です。とはいえ、ANCA 社製 CNC マシンの現在の能力を可能な限り効率よく活用するだけでも、あなたの会社の生産性を大幅に向上させることができます。

今の需要に対応できる理想的な環境を作り、ビジネスを成長させる可能性を手に入れることができるのです。
 
 
 

25 9月 2023