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ANCA 社の研削技術がインドの SST Cutting Tools 社の精度向上に貢献

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ANCA 社と提携し、精密切削工具の製造やブランク工具の準備、工具の再研削に ANCA 社マシンを大規模導入したことがインドの都市バンガロールを拠点にする会社の信用を上げる

 
 
従来のマシンオペレーターから30人以上の従業員を雇用する高精度切削工具製造会社の創設者になる -  こんな嘘のようなサクセスストーリーを歩んできたのがインドの都市バンガロール出身の切削工具職人 Kumar A. 氏です。ではその Kumar 氏の切削工具製造会社 SST Cutting Tools 社が航空宇宙や防衛、自動車業界で使用するカスタム工具作りに ANCA 社の最新研削マシンを使用しているのはご存じでしたか?ここでこれまでの経緯を見てみましょう。
 
ANCA 社と歩んだ成長への道

Kumar 氏が 1 台の工具研削マシンと共に SST Cutting Tools 社を立ち上げたのは、2008年、世界大不況の最中でした。現在、同社は 4 台の ANCA 社マシンを所有しており、多くのクライアントから高い評価を受けています。

「旧式マシン 1 台で工具の再研削からスタートしました。おかげさまで私の仕事に高い評判をいただき、すぐに追加で旧式マシンを購入し、さらにスタッフを雇用することができました。しかし、プロセスの高速化と高い精度が求められる注文への対応に困っていました。そこで、CNC 研削マシンへの投資が思いついたのです」と Kumar 氏は話しています。

「それまで一度も使ったことがなかったので、CNC 研削マシンに関する知識は全くありませんでした。唯一ハッキリしていたのは、最高の 1 台が欲しいということです。世界中にあるさまざまなメーカーを検討した結果、自分の用途に最適な 1 台を ANCA 社で見つけることができたのです。自分を含め、チームの誰もが CNC 研削マシンを触ったことすらなかったので、何よりもユーザーフレンドリーな使いやすさを重視しました」Kumar 氏はこう付け加えます。
 
出力、効率、精度を上げる 


SST Cutting Tools 社は、3 ミクロンという精度での工具製造を可能にするリニアスケール技術を搭載した ANCA 社の FX3 を導入しました。「このマシンの出力とそのスピードには驚きました。そして、効率と精度が向上したおかげで、私たちが必要としていた信頼を得ることができるようになったのです。今は精密切削工具設備を探しているところです」Kumar 氏はこう話しています。

注文が増えると同時に会社も成長し、2016年には土地を購入し、工場建設が始まりました。「私たちは小規模企業ですが、『技術においては絶対に妥協しない』という強い信念を常にもっています。2017年に新工場に移り、1 ミクロンの精度でどんな形の工具でも計測できる Zoller 工具検査マシンを導入しました」彼はこう説明しています。

同社では精密切削工具の受注を開始し、多くのクライアントに好評です。「リピートオーダーも多く、新規の問い合わせも増えています。そこで、セットアップにかかる時間を短縮して、さらに効率を上げる必要があったのです。この考えを ANCA 社チームに話したら、ANCA 社の FX5 フルオートメーションリニアマシンを勧められました。デモンストレーションを拝見して、すべての機能をチェックして、2018年3月に決めました。2台のホイールチェンジャーが付いているのでセットアップの回数を抑えることができて、まさに自分が探し求めていたマシンだったのです」とKumar 氏は話しています。さらに、2019年、SST 社はその上位バージョンで、フルオートメーションシステムの高い精度とインプロセス計測カメラが搭載されている ANCA 社の FX5 を追加しています。
 
すべての要件を満たすマシン


切削工具メーカーにとって何よりも重要であると同時に大変な作業のひとつが小さな公差で精度の高いブランクを用意することです。正しいブランク工具が切削工具の仕上がりを左右するといっても過言ではありません。「時代と共に、クライアントの要求がどんどん厳しくなっています。コストパフォーマンスがよくて、しっかり作り込んだ工具を、予定している納期とおりに提供してくれることをみなさんは求めているんです。そして、2021年、大量の注文、特にブランクの準備に対応するために、現在の構成をアップグレードする必要が出てきたのです。そこで、100%の精度でブランク工具の準備にかかる時間を短縮しようと、ANCA 社の 4 軸 CPX ブランク準備マシンの導入を決めたのです」と Kumar 氏は話しています。

この CPX Linear ならば、2 ミクロン以下の振れで表面の粗さ 0.2Ra 以上のブランク工具を実現することができます。「CPX Linear の導入で、数時間で工具を作れるようになり、緊急対応も可能になりました」彼はこう付け加えています。
 
品質と精度を重視した選択


Kumar 氏は自分が目指すことについて「世界クラスの切削工具メーカーになって、クライアントが希望する時間内に、欠陥ゼロの高い精度のサービスを提供していきたい」と語っています。

同社では、L/D 比が Ø X 12 の Ø1 から Ø25 までのドリルや 0.8 mm から 25 mm でフルートの数が 2 から 12 のエンドミル、さらに 1 mm から 25 mm でその公差が 0.002mm 以内のリーマやボールミルなどのカスタムした切削工具を専門に扱っています。加えて、ねじ切り工具やボーリング工具、内径と外径溝切り工具、ピコバー、そして角溝切り工具なども手掛けています。

Kumar 氏はとても貧しい家庭の出身で、多くの子供たちが学校生活を楽しんでいる中、同年代であった彼はアルバイトをして生計を立てていました。18歳になった頃、Kumar 氏はバンガロールにある注文生産工場のひとつでマシンオペレーターとして働き始め、もっと学びたいという思いから、夜間学校に通い、機械エンジニア資格を獲得します。

「機械工学の基礎や最新機械の仕組み、研削加工のさまざまなメリットを学びたかったのです。日中10時間から12時間働いて、夜は授業に出席していました」こう彼は振り返ります。

SST Cutting Tools 社のバイタリティとマルチな才能は、#ANCATooloftheYear に数回エントリーしていることからも分かります。さらに ANCA 社のソフトウェアを使って彼らのスキルと創造性、そして切削工具メーカーのコミュニティに積極的に関わりを持とうとする姿勢を見ることができるのです。

「コロナが最も猛威を振るっていたころ、私たちの ANCA 社マシンを使って迅速に人工呼吸器の部品を作ることで、微力ながらインド政府の力になることができました。このプロジェクトは医療機器なので、精度と表面仕上げに高い基準が設けられており、さらに納期も大変厳しいものでした。私たちはすぐに行動に移り、まず当社で働くすべての技術担当者を集め、他の全プロジェクトを停止して対応しました。コロナ対策に少しでも力になれたことを嬉しく思っています」と誇らしげに話してくれました。 
 
国内外での成長を目指し


ビジネスを始めてから約15年、インドで多くのクライアントに喜んでいただいてきた同社は今、輸出を視野に入れており、より多くのマシンを導入するため、インフラ設備の拡大を行っています。「近いうちに複数台 ANCA 社マシンを導入する予定です」Kumar 氏はこう話します。

さらに「未来に大きな目標を持っています。でもこれまでに歩んできた過去を振り返り、自分たちにとって何が良かったのかを見直す必要もあると思っています。ANCA 社を選んだことは私が積み重ねてきたキャリアの中でも特にいい決断だったと思います。ANCA 社は SST Cutting Tools 社の効率と生産性を上げるだけではなく、切望していた信頼までもたらしてくれたのです」と加えています。 

 「ANCA 社チームは技術的なノウハウに精通しており、そのサービスは素晴らしいとしか言いようがありません。技術的な障害が発生した時でも、チームはすぐに返信してくれます。彼らの素早いサポートがあるからこそ、私たちのプロジェクトはこれまで大きな遅延に直面せずにすんでいるのです。過去には、私たちがマシンの機能をより理解するサポートのためだけに ANCA 社の上層部がオーストラリアからバンガロールまで来てくれたこともあります。これからの ANCA 社と働いていくつもりです。ANCA 社は単なる供給業者ではなく、私たちにとっての成長パートナーなのです。 

 

21 11月 2022