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2023年4月
現在のビジネスにおいて、競争力を維持するために重要な戦略のひとつが、移り変わりの激しい市場に合った工具を確保することです。つまり最新技術の取り入れとその活用に柔軟性を持つことが大切です。世界のパンチメーカーは、この事実を知っているからこそ、ANCA社のTX7 Linear と TXcell Linear がそれぞれの生産ニーズにもたらすメリットに注目しているのです。
第一に、TX7 LinearまたはTxcell Linearは、作業に適した工具や付属品を装備する必要があります。そのため、ANCA社では、パンチ研削への応用ニーズに応えたさまざまな付属品やオプションを開発いたしました。
- iPunch:パンチの形や研削プロセスパラメータを自由に設定することのできるパンチプログラムシフトウェア
- iBalance:マシン内蔵式ホイールバランス調整ソフトウェア
- お使いの研削ホイールの形状と切れ味を保つためにインプロセスでドレッシングを行うANCA社のドレスソフトウェアによるフルサポートが付いた回転ホイールドレッサーユニット
- 研削ホイールの小さくなった直径に合わせて位置が変わる自動調整クーラントノズル
これらの付属品は、優れたパンチ研削マシンには不可欠な部品です。では、ANCA社のTX7 Linearのパンチ研削は何が違うのでしょうか。基本となることですが、パンチメーカーで広く使用されている3軸式研削マシンと違い、TX7 Linearは5軸式研削マシンとなっています。つまり、お使いの研削マシンの自由度が上がるということは、使用可能範囲が広がることを意味しています。
パンチメーカーの場合、従来のパンチ研削マシンでは、1つの研削ホイールで研削することができるのはパンチの外形のみでしたが、TX7Linearならそれ以上が可能です。一般的に、パンチの場合、その工具を完成させるために、複数の個別マシンを使った作業が存在します。
では、これらの追加投資や手間がかかる工具の加工とは一体どんなものでしょうか?パンチの外径研削の後、パンチのトップやウィスパーや切り込みが必要になることがあります。さらに、工具の柄付近に工具番号や特徴を追加しなければならないかもしれません。一般的なパンチには、工具のパンチ部分と柄の部分の間に緩やかな変化を付けるため、研削ホイールにドレス加工が施された単一ラジアスが存在しますが、場合によっては、予備の補強ラジアスが複数追加される場合があります。また、パンチの端面にエジェクターホールが必要となり、研削ではなく、穴あけが必要になるかもしれません。
でも、5軸式のTX7 Linearには、2つのホイールパックが用意されているので、これらの加工を1回の設定で実行することが可能です。さらにTXcellならば、9個から最大で24個のホイールパックが使用でき、これまでのパンチ研削マシンでは不可能だった、これらの加工を1回の設定だけで行うことができるようになったのです。
ホイールパックの交換に使用する TXcell ロボットは、さらに工具の自動装填にも使用されます。つまり、無人シフトでの稼働も可能です。複数のホイールパックが搭載されていることで得ることのできるメリットはこれに留まりません。粗加工用ホイールと仕上げ用ホイールを使い分ければ、研削加工を切り屑の除去や表面仕上げを最適化することができます。また、TX7 Linear とTXcell Linearは、CBNホイールの使用にも適してます。
とても小さな径のホイール (TX7 Linear の最大径が200mm/TXcell Linear の最大径が 300mm) を使うことで、CBNは、従来の研磨材よりも高い研削送り速度を実現するだけではなく、ホイールのドレッシング頻度を少なくすることができます。つまり、この両方の特性により、最終的に時間とコストの節約につながるのです。
パンチ工具を製造するお客様の多くは、寸法公差と表面仕上げのクオリティに可能な限り高い精度を求めています。TX7 LinearとTXcell Linearなら、これらの要求を簡単に応えることができ、パンチを2~3ミクロン以内で研削し、0.1Ra(平均粗さ)未満の表面仕上げを実現することが可能となっています。
鍵穴パンチ - ANCA 社のプレミアム TX マシンの主なメリット
TX7 Linear と TXcell Linear には、パンチング研削の際に使用できるとっておきの切り札があります。それが、鍵穴パンチ機能です。これらのパンチは一般的に、凹みがあり、その外形が非常に複雑なのが特徴となっており、その研削には根本的に違うアプローチが行われます。それには、小さなサイズの適切なホイールと高速回転での加工が必要となりますが、このTX Linearマシンならこれを簡単に行うことができるのです。
専用の鍵穴用パンチソフトウェアがあり、鍵穴パンチの形状や研削工程を細かく思う通りに制御することが可能です。つまり、TX7マシンを使ったパンチ加工は、パンチ研削市場の新しいセグメントを開くもので、投資から利益を生み出す機会が増えることを意味しているのです。
パンチ研削業界の取引が減少し、マシンの空き時間が増えた場合は、ANCA社の主要用途であるドリルやエンドミルの製造向けにマシンを再構築するのも簡単で、ANCA社のTX7 LinearとTXcell Linearが、パンチ製造の柔軟性と自動化を大きく前進させることができるのです。このような多様性は、新たな市場やビジネスチャンスへの門戸を開くだけでなく、さらに今後のビジネスの安全をも実現するのです。
17 4月 2023