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2022年5月
CPX Linear ブランク加工マシンの主な機能は、寸法の精度と<0.2Raの表面仕上げの維持と、高い材料除去率の実現です。
この4軸研削マシンは、ピールやピンチ/ピール研削法が用いられており、自動車や医療、木工、スマートデバイス、航空宇宙、発電業界で使われる産業用切削工具に必要なブランクを含め、さまざまなブランケット研削に使用できるように開発されています。
その用途の中には、深部加工やポケット、溝、さらに鋳造や大型部品の座ぐり加工に広く使われている長尺切削工具も含まれています。
長尺エンドミルには次のふたつのカテゴリーがあります。
長尺ロングフルートエンドミル
その外径の切削長全体に長いフルートが入っているエンドミルです。工具の強さはコア径によって左右されるため、加工時はこれらの工具が大きくたわむことになります。そのため、仕上げやシームレスな加工表面が必要なポイントへの使用に限定されます。
長尺ネック付きエンドミル
外径の切削長の一部のみにフルートが入っており、リーチ部分がネック径で研削されているエンドミルです。このネック径は、円筒状に研削されており、切削径よりも0.5~1mm小さくなっています。ネックにフルートや凹凸が入っていないので強く、加工時の剛性が高いのが特徴となっています。
長尺ネック付きエンドミル製造の最善の方法
これらのエンドミルの製造工程は、その切削長やネック長、切削径、切削工具の材質、加工対象となる素材によって異なります。以下に説明する工程は、長尺ネック付きエンドミルの研削例となっています。
ステップ1:切削工具の形状を研削する
- まず、工具研削盤で工具の形状を研削します。
- 切削工具の形状を研削している時は、シャンク径を支えるステディを装着します。
ステップ2:ネック径を研削する
- 次に、研削した切削工具を CPX Linear ブランク研削マシンにセットします。
- シャンクを V 字サポートにセットして、ネック径をピール研削します。
- ネック径を研削している間、BlankX ソフトウェアによって工具の研削長はスキップされます。
- 必要に応じて、ピンチ/ピール研削方法でネックを研削することも可能です。
主な利点
- 一般的に、シャンク径には公差 h6 の標準ブランクが使用されます。そのため、切削工具の形状を研削している時にシャンクを保持することで、安定したサポート位置を確保することができます。
- シャンク径を保持したままで、自動着脱が可能です。
- CPX Linear ではシャンク径をサポートすることで、工具のバランスにとって重要なネック径と研削径の同心度が保証されます。
- この CPX Linear ソフトウェアであれば、切削工具の部分をスキップしたり、ネック部分のみを研削することも可能です。
7 4月 2022