ニュースレターを発行 2025年5月

ANCAは、FX、MX、TX研削機の能力を向上させるために設計された、高性能スピンドル増速キットを開発しました。この革新的なソリューションにより、ユーザーは最大50,000RPMの砥石周速を達成することができ、小径砥石やPCDポケット研削、内面研削などの特殊アプリケーションに最適です。

高速精度で汎用性を高める

スピンドル増速キットは、既存のANCA機械の可能性を大きく広げるシンプルで強力な追加装置です。研削機の研削スピンドル内でシームレスに動作するように設計されており、特別な機械改造をすることなく、超高速スピンドル速度への到達を可能にします。

重要なことは、スピンドルスピーダーはANCAの自動工具チェンジャーと完全互換性があり、従来の研削砥石パックと並べて使用することで、便利な自動工具交換を可能にします。

直径10mm以下の研削砥石に最適なこのキットは、高性能研削アプリケーションに新たな可能性をもたらします。もともとTX用に開発されたスピンドルスピーダーは、現在FXおよびMXマシン用にも提供されており、ANCAをお持ちのお客様全体でその機械加工性をより幅広く利用できるようになっています。

「通常のANCA研削スピンドルは、最大10,000RPMまで実行可能で、直径75mm以上の砥石を使用するほとんどの標準的な工具研削作業に最適です。」と、ANCA製品マネージャーのダンカン・トンプソンは説明します。「しかし、お客様からは、より小さな砥石を効率的に使用する方法が求められていました。これらの砥石は、最適な研削に必要な表面速度を達成するために、かなり高いRPMが要求されます。」

アップグレードの背景にある技術

スピンドルスピーダーの心臓部は、メインスピンドルによって駆動されるコンパクトな歯車機構です。この歯車は出力回転数を約7倍に増加させ、研削砥石で最高50,000RPMの速度を達成します。

このキットには、1mmから7mmまでの砥石シャンクサイズに対応した7種類のコレットがセットとしてが付属しており、オペレーターは様々な工具形状や研削作業に柔軟に対応することができます。

PCDポケットと内径研削における精密研磨

スピンドルスピーダーの主な使用例の一つに、PCD（多結晶ダイヤモンド）ポケットの研削があります。これは自動車産業、航空宇宙産業、木工産業で使用される工具の製造において一般的な作業です。

一般的な製造工程は、従来の研削砥石パックを使用した溝加工や逃げなどの標準的な研削作業から始まります。その後、スピンドルスピーダーを使用することで、小さなペンシル研削砥石を配置し、高回転/分数で正確にPCDポケットを作成することができます。これにより、1台の機械加工で最適な表面仕上げと精度が得られます。

「ポケット研削にスピンドルスピーダーを使用することで、追加設定の必要がなくなります。」とダンカンは説明します。「これにより時間を節約し、位置ずれや不整合のリスクを減らし、全体的な製造効率が向上します。」

ハードウェアを補完するために、ANCAは専用のPCDポケット研削ソフトウェアも提供しています。この使いやすいパッケージにより、ユーザーは複雑なポケット形状を迅速かつ正確に定義することが有効になり、工具生産工程がさらに合理化されます。

より大きな利益のための賢い投資

新規および既存のFX、MX、TX 工作機械用のオプションアクセサリーとして利用できるスピンドルスピーダーは、生産能力を拡大し、工作機械への投資価値を最大化したい工具メーカーにとって理想的なアップグレードです。

「スピンドルスピーダーは、ANCAのPCDポケットソフトウェアと組合せ、追加の設備投資なしに新規工具の可能性を開くことができます。」とダンカンは説明し、「既存のANCA機械からさらなるパフォーマンスを引き出す、もう一つの賢い方法です。」と付け加えました。

スピンドルスピーダーの機能性と実際のアプリケーションを紹介したYouTubeビデオをご覧ください。
 

 

28 4月 2025